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「克つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

克つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
クララの出家」より 著者:有島武郎
の女などはあからさまに卑猥な言葉をその若い道士に投げつけた。道士は凡ての反感に打克つだけの熱意を以て語ろうとしたが、それには未だ少し信仰が足りないように見えた。....
運命」より 著者:幸田露伴
甲戌大に斉眉山に戦う。午より酉に至りて、勝負相当り、燕の驍将李斌死す。燕|復遂に克つ能わず。南軍|再捷して振い、燕は陳文、王真、韓貴、李斌等を失い、諸将皆|懼る....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
もっぱらになろうとの願いが高まったときに、それは悪魔の誘惑として、その願いに打ち克つように祈ったというではないか。私は退隠するのは強いことと思って、市に出たい、....
成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
かを充分に考え得ない人だと思います。私には、たとえどれほどの気強さを持っても打ち克つことの出来ない愛に苦しめられている母親をその上まだ鞭打つなどという事は出来ま....
学生と生活」より 著者:倉田百三
の場合にも、その悲傷は実に深い。しかし人間はこの寂寥と悲傷とを真直ぐに耐えて打ち克つときに必ず成長する。たましいは深みと輝きをます。そのとき自暴になったり、女性....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
単に過去の思い出となるであろう。少し経てば、私はこの事件によって受けた衝動に打ち克つことが出来よう。この航海日誌をつけ始めたとき、私はそれを終わりまで書かなけれ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
あるまじきことだ」と思うことを、しばしばあらしめるものだ。「願望」が「自然」に打克つように見えるのは、その「願望」が「自然」に即し「自然」の流れに棹ざしている時....
次郎物語」より 著者:下村湖人
決して彼の生命の不健全さを示すものではなかった。むしろ、それは、彼が彼の運命に打克つ新たな道への曲り角に立ったことを意味したのである。彼の眼はそれ以来次第に内に....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ても感じのない、暗い、不透明なものが、わたしのまわりにあったわけだが、今度は打ち克つことも避けることもできないような障害がなくなって、自由に歩きまわれるのがわか....
地上」より 著者:島田清次郎
くなります――」 和歌子はその一言に渾身の祈念を捧げて、自らの内に苦しみに打ち克つ信念を堅めようとした。秋十月の夜更けであった。 第七章 停学の期....
イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
一面は、イプセンの心のなかにも芽を吹いていた、彼は、その誤れる欲望と感情とに打ち克つために、みずからを戒める鏡としてペエルの姿を見つめたのかもしれません。ペエル....
迷信解」より 著者:井上円了
う。これを相生、相剋と申すことがある。すなわち、木は火を生ずるものとし、水は火に克つものとするの類にて、相生の方を吉とし、相剋の方を凶としてある。左にその表を掲....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ありますまいか」 「それもそうだな、けれどただ優しく美しいだけでは悪の勢力に打ち克つことができないからな、強者の残した屑のなかでわずかに他のものを害さぬようにし....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
体の弱さを実感した。それゆえに、今日の偉大なる闘争にさいして、神助をえ、死に打ち克つ勇気を」彼に恵まれんことを望んだ。その後で、天を仰ぎながら、いっそう熱烈に、....
婦人の過去と将来の予期」より 著者:小川未明
働であればこそ不平も起るけれど、真理への道程であると考えた時には、現在の艱苦に打克つだけの決心がなくてはならない。 これを思う時、婦人開放も、婦人参政も、すべ....