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免れる
「免れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
免れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
相違ない。同時に又自由意志を信ずれば責任の観念を生ずる為に、良心の麻痺《まひ》を
免れるから、我我自身に対する我我の態度は厳粛になるのに相違ない。ではいずれに従お....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
なくなったものができたら、この農場にころがり込むことによって、とにかく餓死だけは
免れることができようとの、親の慈悲心から、この農場の経営を決心したらしく見えます....
「富士」より 著者:岡本かの子
体は木の実を拾って食い、熊、狼の害を木の股、洞穴に避けて育った。山は害敵とそれを
免れるものと両方を備え無言にして生命それ自ら護るべき慧智を啓発した。 こどもた....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
か。夢でなければ今我々は生命の危険に瀕《ひん》しているのだ。どうしたら、それから
免れることができるだろうか! その中に、さすがワーナー博士は誰よりも落ち着きを....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
んさえ下さると、円満に納まるばかりか、私も、どんなにか気が易まって、良心の呵責を
免れることが出来ますッて云うのにね。肯きますまい! それが無情だ、と云うんだわ。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
傍のホッドミンネの神苑(Hoddminnes Hain)だけがこの世界的の火災を
免れるので、そこに隠れていた若干の神々と、人間の一対ライフトラーゼルとリーフ(L....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
大きな後悔と激しい刺戟とに身を焼かれるの想いがある。この大きな苦悩から、なんとか
免れる途はあるまいか。――そうだ、無いこともない。 僕は決心を定めて、その夜雁....
「地中魔」より 著者:海野十三
ついに引金は引かれたのだ。はげしい弾丸の雨の下、この近距離で、果して三吉は射殺を
免れることが出来るだろうか。否! 否! 岩の悲運 三吉の頭のところに最初....
「流線間諜」より 著者:海野十三
時、国内問題のために非常な重大危機に立っていた某国政府当局が、その国家的自爆から
免れる最後の手段として、相手もあろうにわが日本帝国に対して、試みた非常工作なので....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
…。』 それから私は未熟な自分にできる限りの熱誠をこめて、三浦の土地が災厄から
免れるようにと、竜神界に祈願を籠めますと、間もなくあちらから『願いの趣聴き届ける....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
句の内容の指定するところに従えば、警句の使用者自身も当然この挙国一致の大沈没から
免れるわけには行かないのであるからいよいよ愉快である。 かくのごとく沈没が流行....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
良人なき者は縁談が纏まらず、やもめ暮しをするというのであった。 そこで、それを
免れるには、見たという他郷の人を、殺害すればよいというのであった。こうした場合の....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
なかで大風に遇うのは天神の怒に触れたものとして隊商のうちの一人を犠牲にして災難を
免れるよう祷らねばならない。このことは誰も知って居た。 隊商はみな同族だった。....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
いた。お坊っちゃんが――旧家が――滅びる筋道はこれ以外には無かった。そしてそれを
免れる遣り方も彼には判っていた。それは簡単だった。時代並みの商人になればそれでよ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
陸軍武力は一本のシベリヤ鉄道により長距離を輸送されるソ連軍に過ぎないために服役を
免れる男子が多かった。ソ連極東兵備の大増強、支那事変の進展により、徴集兵数は急速....