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免許皆伝
「免許皆伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
免許皆伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
の一義を、肝深く銘じた。彼は、馳せて柳生《やぎゅう》の道場に入った。十九の年に、
免許皆伝を許されると、彼はただちに報復の旅に上ったのである。もし、首尾よく本懐を....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
大きな見当違いさ。ああしてぺこぺこ詫びてはいるが、あの眼の配り、腰の構えは、先ず
免許皆伝も奥義《おうぎ》以上の腕前かな。みていろ、今にあの若者が猛虎のように牙を....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
だんな、お黙り! なるほど、犬の顔にも裏表があるかもしれねえがね、よしんばお駒が
免許皆伝の剣術使いであったにしても、包丁はドス、そのドスが血によごれて、死骸《し....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
しく、十二の時に藩の指南番伊達何とかいう人に見出されて、その弟子となって、十八で
免許皆伝を貰った。剣道、柔道、槍術、馬術、行くとして可ならざるはなく、ことに柔道....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
を歪め、私には顔の側方を向け、而も一番私に云う強い語気で「ふん、あれでも神伝流の
免許皆伝か。」麻川氏「くどく云うなよ。」赫子「だってとうとう瞞されちゃった。」私....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ったそのまに、もうどこかへ姿を消しました。 「わははは、剣道修業の者ならば、先ず
免許皆伝以上の心眼じゃ。苦手と看破って逃げおったな。いや、よいよい、この境内へ追....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
言うまでもないこと、声までがしいんと骨身にしみ透るように冴え渡って、手の内がまた
免許皆伝以上、しかも流儀は短槍にその秘手ありと人に知られた青江信濃守のその青江流....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
新しい入門者があって、現代でいえば宣誓式のようなことをするのも、この鎧櫃の前。
免許皆伝の奥ゆるしをとった者が、その披露をする座にも、その鎧櫃を飾る。 ふだん....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、はっきり聞いた話なのだが、やっぱし、あっしの眼に狂いはなく、脇田先生の道場で、
免許皆伝だというじゃあねえか。いまじゃ、三都で名高けえ、女形のお前さんが免許とり....
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
「アハアハ。いやそれでよいそれでよい。そこが貴殿の潔白なところじゃ。人間としては
免許皆伝じゃ」 平馬は眼をパチパチさせて恩師の上機嫌な顔を見守った。何か知ら物....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
止まりとして世間から一種の敬意を払われるので、しかもこれを世渡りの秘訣、処生法の
免許皆伝と心得ている人が又|頗る多いように見受けられるのであります。 この悪魔....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たことがあるかどうか考えないで伝説をそのまま借用すると)、そこで武蔵から真免流の
免許皆伝を受けました。それは甚内が二十一歳の時のことであるということです。 そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と言い、これは御旗奉行格大坪流の槍の指南役であった。その仕込みを受けて、あっぱれ
免許皆伝の腕となり、槍を取っては、神尾のいい稽古相手であり、同時に悪所通いにかけ....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
た。しかし彼には天分があったばかりでなく、人の何倍という稽古熱心の性分があった。
免許皆伝をうけて後も怠ることなく、師の法神が諸国の山中にこもって剣技を自得した苦....