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「兎唇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兎唇の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
次第なのですが、御主人の仰《おお》せもありましたし、御給仕にはこの頃御召使いの、兎唇《みつくち》の童《わらべ》も居りましたから、御招伴《ごしょうばん》に預《あず....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
面を、しかし棚にあげて、 「打ちみたところ、眼ッかち、鼻べちゃ、藪にらみ、さては兎唇出歯の守、そろいそろった醜男が、ひょっとこ面を三百も、目刺しまがいに、並べた....
病院風景」より 著者:寺田寅彦
でたたくような音が、こういうリズムで、アレグレットのテンポで、単調に繰返される。兎唇の手術のために入院している幼児の枕元の薬瓶台の上で、おもちゃのピエローがブリ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
いた。頬には、刀傷や、異様な赤い筋などで、皺が無数にたたまれているばかりでなく、兎唇、瘰癧、その他いろいろ下等な潰瘍の跡が、頸から上をめまぐるしく埋めているのだ....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
だ、いずれ上玉の三つや四つは、仕込んでいるに相違ない。真っ先に桐兵衛を訪ねよう」兎唇の若い男である。 ひそやかに小舟は進んで行く。 この時代における鴨川は、....
大谷刑部」より 著者:吉川英治
へ駈けこむと、やがてその者と連れ立って、黒革胴を着込んだ背の小づくりな――そして兎唇の見るからに風采のあがらない武士が出て来た。 「あなたが、お篠どのですか」 ....