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兜
「兜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
」
こう云う声がしたかと思うと、あの大事な笛を始め、金の鎧《よろい》だの、銀の
兜《かぶと》だの、孔雀《くじゃく》の羽の矢だの、香木《こうぼく》の弓だの、立派な....
「葱」より 著者:芥川竜之介
辺のバアやカッフェ、青年会館や音楽学校の音楽会(但し一番の安い切符の席に限るが)
兜屋《かぶとや》や三会《さんかい》堂の展覧会などへ行くと、必ず二三人はこの連中が....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
ょうこうじ》の城攻めの折も、夫は博奕《ばくち》に負けましたために、馬はもとより鎧
兜《よろいかぶと》さえ奪われて居ったそうでございます。それでも合戦《かっせん》と....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
のは必ず小児の玩具に似ている。緋縅《ひおどし》の鎧《よろい》や鍬形《くわがた》の
兜《かぶと》は成人の趣味にかなった者ではない。勲章も――わたしには実際不思議であ....
「或る女」より 著者:有島武郎
事に飽き足《た》った人のように、また二十五年にわたる長い苦しい戦いに始めて勝って
兜《かぶと》を脱いだ人のように、心にも肉にも快い疲労を覚えて、いわばその疲れを夢....
「或る女」より 著者:有島武郎
もはるかに巧妙で大胆なのを葉子は自分で存分に知り抜いているのだ。自分から進んで内
兜《うちかぶと》を見透かされたようなもどかしさはいっそう葉子の心を憤らした。
「....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
て鞭《べん》を揚《あ》ぐるの輩《はい》にあらざるなり。 御者は書巻を腹掛けの衣
兜《かくし》に収め、革紐《かわひも》を附《つ》けたる竹根の鞭《むち》を執《と》り....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
母様が大変感情を害したからね、君から断ってくれたまえ。」 と真面目で云って、衣
兜から手巾をそそくさ引張出し、口を拭いて、 「どうせ東京の魚だもの、誰のを買った....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
マントルは着たと思うと、姿の隠れるマントルなのです。 第一の盗人 どんなまた鉄の
兜でも、この剣で切れば切れるのです。 第三の盗人 この長靴もはきさえすれば、一飛....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
人公はあるいは僕の記憶に残った第一の作中人物かもしれない。それは岩裂の神という、
兜巾鈴懸けを装った、目なざしの恐ろしい大天狗だった。 七 お狸様 僕....
「親子」より 著者:有島武郎
眼の前に嘘をせんでいい世の中を作ってみせてくれるか。そしたら俺しもお前に未練なく
兜を脱ぐがな」 父のこの言葉ははっしと彼の心の真唯中を割って過ぎた。実際彼は刃....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、一領の鎧を捧げ、背後より颯と肩に投掛く。 公子、上へ引いて、頸よりつらなりたる
兜を頂く。角ある毒竜、凄じき頭となる。その頭を頂く時に、侍女等、鎧の裾を捌く。外....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
丸髷ゆえか、主人の錆びた鋲のような眼色に恐怖をなしたか、気の毒な学生は、端銭を衣
兜に捻込んだ。――三日目に、仕入の約二十倍に売れたという 味をしめて、古本を買....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
きく、又眼の色が人を射るように強い位の相違で、そしてその総髪にした頭の上には例の
兜巾がチョコンと載って居りました。 『女人禁制の土地柄、格別のおもてなしとてでき....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
アの中には聖ジョオジらしい騎士が一人翼のある竜を刺し殺していた。しかもその騎士は
兜の下に僕の敵の一人に近いしかめ面を半ば露していた。僕は又「韓非子」の中の屠竜の....