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入り
「入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
がね》の環《わ》のまわりにぐるりと何本もぶら下げたかもじ。かもじの中には「すき毛
入り前髪《まえがみ》立て」と書いた札《ふだ》も下っている。これ等のかもじはいつの....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
簾《のれん》をくぐって、商人《あきうど》が来る。物貰《ものもら》いが来る。客の出
入りはもちろんあった。その混雑の中に――
つつましく隅《すみ》へ寄って、その混....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
でにふと柳島《やなぎしま》の萩寺《はぎでら》へ寄った所が、そこへ丁度彼の屋敷へ出
入りする骨董屋《こっとうや》が藤井の父子《おやこ》と一しょに詣《まい》り合せたの....
「河童」より 著者:芥川竜之介
にでもとったのでしょう。そこへおふくろと仲悪い叔母《おば》も喧嘩《けんか》の仲間
入りをしたのですから、いよいよ大騒動になってしまいました。しかも年中酔っ払ってい....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
でも、二階の寝室を離れなかった。が、四時頃やっと床《とこ》を出ると、いつもより念
入りに化粧をした。それから芝居でも見に行くように、上着も下着もことごとく一番|好....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
いある、が、目かたは莫迦《ばか》に軽い、何かと思ってあけて見ると、「朝日」の二十
入りの空《あ》き箱に水を打ったらしい青草がつまり、それへ首筋の赤い蛍《ほたる》が....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。三人きょうだいがある内でも、お律《りつ》の腹を痛めないお絹が、一番叔母には気に
入りらしい。それには賢造の先妻が、叔母の身内《みうち》だと云う理由もある。――洋....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
月×日 俺は今日|洗濯物《せんたくもの》を俺自身洗濯屋へ持って行った。もっとも出
入りの洗濯屋ではない。東安市場《とうあんしじょう》の側の洗濯屋である。これだけは....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
常であった。今日の流俗は反抗的ならざる一切に冷淡なのを常としている。二種の流俗が
入り交った現代の日本に処するには、――近藤君もしっかりと金剛座上に尻を据えて、死....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
「風呂に召されよ」と言いしも「風邪の心地なれば」とて辞し、夜食早くしたためて床に
入りしが、既往将来の感慨に夢も結ばず。雁の声いとど憐なりし。峠を越え山を下り野に....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
こととなり、三月二十一日ネープルを出立、二十四日ローマに着、チロールからドイツに
入り、スツットガルト、ハイデルベルヒ、ケルンを経て、四月十六日にはベルギーのブラ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
強かったのです。トラピスト教会の修道士になるような人たちの性質は、サロンなどに出
入りする浮気な人たちとは同日に云えないものがあるでしょう。親類の間にはこんな言葉....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
女性に対してもろく、甘かったから、それほど男の心を誘うような女はたちまち彼の気に
入り、特に彼が彼女の両親の邸を訪ねてからそれが強くなったことにふしぎはあるまい。....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
を振り上げ、その刄の方で釣師の頭をひと撃ちで割った。頭から血が流れ出した。脳漿が
入り混った、薔薇色の血! それは緩やかに川の中に流れ込んだ。私は落著いてゆるゆる....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
つぶして行列を見ていました。すると代官様の一行は、庄屋|長左衛門の家にどやどやと
入りました。庄屋は顔を真青にして代官様の前に出ました。 「まだ紅葉にはお早ようご....