入念[語句情報] »
入念
「入念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入念の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
時、優秀な航空テレビジョン機の発明を完成されていた。当時二組の機械が作られたが、
入念に実験されたうえで、 (きみ、素晴らしい性能だ。これならば十億キロぐらい離れ....
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
しかし事件は、迷宮入りだ。これではいけないと思って、僕は改めて博士の鞄の中を
入念に調べだした。 すると鞄の一番底から、一冊の手帖が出てきた。その手帖は、表....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
村探偵は、それがすむと、一秒も惜しいという風に、階下へ降りて行って、松山の屍体を
入念に調べあげた。別に特別の発見もなかったが、唯一つ、右の拇指の腹に針でついたほ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の外に、笛吹川画伯、勝見伍策、それから私からの手紙でありました。 嫂の屍体は、
入念に法医学教室で解剖に付せられましたが、消化器と循環器との系統のものは、どんな....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
た。園長を最後に見掛けたというところが、此の爬虫館と小禽暖室の辺であってみれば、
入念に検べてみなければならないと思った。 「さあ、ここが爬虫館です」 副園長の....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
を出された。出るときは、果してあの帆村とかいう探偵立合いの下に、肉ポケットの中を
入念に調べられたが、それは彼等を失望させるに役立ったばかりだった。私が出所したあ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ええー、よくごらん下さい」 すみれ嬢は、トランクの中を嘗《な》めんばかりにして
入念《にゅうねん》に改めた。彼女が用を終って顔をあげたのを見ると、その面《おもて....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
蹟をひろげて見るに及んで、声も立てずに長椅子の中に気絶してしまった。 苅谷氏は
入念な変装ののち、ひそかに袋猫々探偵の事務所を訪問した。 「……といったようなわ....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
ると困るからネ……」 厳重な艇内捜索が始まった。樽のうしろや、器械台の下などを
入念に調べたが別に怪しい密航者の影も見あたらなかった。 「さあ、密航者はいません....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
かった、絵馬を視て、吻と息を吐きつつ微笑んだ。 しかし、一口に絵馬とはいうが、
入念の彩色、塗柄の蒔絵に唐草さえある。もっとも年数のほども分らず、納ぬしの文字な....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
懸念があるけれども、それには、胎龍に豊富な催眠経歴が必要なんだよ」と法水は、まず
入念に熊城の疑惑を解いてから、彼の説を語り始めた。 「所で僕の仮説と云うのは、至....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
じように外に置かれては、ズタズタに切り刻まれた。 心臓も取り出された。その中も
入念に切り開かれた。 いよいよ問題の左右の肺臓が、切り放されて、身体の外に置か....
「暗号数字」より 著者:海野十三
ほど大したことではなかった。 入れかわって帆村が電話口に出てみると、相手はまた
入念に帆村であることを確かめた上で、 「――実は、こっちは内務省なんですが、秘密....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
、軍服についている銀モールは指で特別になで、ふさを振ってなおすのだった。こうした
入念さにはほとんどそぐわなかったのだが、何か一つを扱い終わると、ただちに気に入ら....
「越年」より 著者:岡本かの子
石に新年でもあり、まだ二三回しか訪れたことのない明子の家へ行くのだから、加奈江は
入念にお化粧して、女学校卒業以来二年間、余り手も通さなかった裾模様の着物を着て金....