入札[語句情報] »
入札
「入札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入札の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
紙風船は、一つのこらずこの丸福商店に買われることになっているのだ。それは刑務所で
入札の結果、本年も紙風船は丸福に落ちていたのだった。だから柿色の紙風船は、この店....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
を隠すがよい。もしほんとうに重宝だと世間へ知れたならば、すぐに競売に出されて最高
入札者の手に落とされよう。男も女も何ゆえにかほど自己を広告したいのか。奴隷制度の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
する。中津川商人はやって来る。宿々村々の人たちの往来、無尽の相談、山林売り払いの
入札、万福寺中興開祖|乗山和尚五十年忌、および桑山和尚十五年忌など、村方でもその....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
んだん遠い夢物語のようになって行った。それに、宿内の年寄役、組頭、皆それは村民の
入札で定めたのが役替えの時の古い慣例で、役替え札開きの日というがあり、礼高で当選....
「画学校時代」より 著者:上村松園
つけたものです。 そして、頼んではそれを写させてもらったものであります。しかし
入札を見に来る客人の邪魔になりはせぬかと遠慮しながら縮図をつづけました。 あの....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
受取りかねるのである。 今一ツの伝説は、秀吉が会津守護の人を選ぶに就いて諸将に
入札をさせた。ところが札を開けて見ると、細川越中守というのが最も多かった。すると....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
紙を見ると、紀州徳川家では家什整理のため、四月上旬東京美術倶楽部で書画骨董の売立
入札を催すはずで、出品数は三百点、大変の前景気だそうだ。呼物の主なものとして、虚....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。なんにしても、凄いものである。 この大工事を引きうける会社をつのったところ、
入札の結果、それは英国のトレント船渠工場会社に落ちた。だから南シナ海へのりだして....
「決闘」より 著者:神西清
陥没したところで、丸焼けになったところで、その新聞電報をロシヤの人々は、古家具の
入札広告と同じ退屈さで読むだけだろう。明日フォン・コーレンを殺そうが生かして置こ....
「入れ札」より 著者:菊池寛
「嘉助が一枚!」 第三の名前が出た。忠次は、心の中で、私に選んでいる三人が、
入札の表に現われて来るのが、嬉しかった。乾児達が自分の心持を、察していてくれるの....
「想い出」より 著者:上村松園
く参考画も思うようにないだけに、無性に人物画が描きたくて堪らなく、その時分諸家の
入札とか、或はまた祇園の屏風祭りなどには、血眼になって、昔の古画のうちから、私の....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
度にして、土木、衛生、庶務、戸籍、学務、社会、会計、都市計画等の諸課を執務吏員に
入札させて、競争の札を入れ、執務能率に準じて能率賞与を与える利率を定めることであ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
で金を作っていたのだ。権右衛門の様に銅鉄売買をする甲斐性はなし、たゞ兄のおかげで
入札名儀だけを貰って体裁だけの空
入札をし、談合の口銭を貰っていたのだ。彼等がそれ....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
せし物、当家としては家宝とも称すべき品々、展観に供え、その節御希望の品も候わば御
入札賜わり度、失礼ながら御指名申上げし方々のみに限り御来駕御待ち申上げ候、なお多....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
に使うしゅんせつ船「大浚丸」一号から十三号までの十三隻に使う石炭二千五百万斤の大
入札のときである。石炭屋一同は申合わせて談合値を決め、あらかじめ落札者を置いて、....