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入棺
「入棺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入棺の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
でした。いつも莞爾々々して、亡くなる前日まで縄を綯うたりせっせと働いて居ました。
入棺前、別れに往って見ると、死顔もにこやかに、生涯労働した手は節くれ立って土まみ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
な人だったが、歿くなる折には、まるで朽木が倒れるように、ぽくりと往ってしまった。
入棺式の時刻になると、故人の懇意な友人や門下生達は、思い出の深い書斎に集って、こ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
として走りました。 あれだけの寝棺では、かなり立派なお家の葬式であろうけれど、
入棺間際に火事が起って真先にあれを担《かつ》いで避難はしたが、死んだ人よりも、生....
「源氏物語」より 著者:紫式部
しみになるのであったが、そうしたところでしかたのないことであると皆が申し上げて、
入棺などのことをしている騒ぎの最中に左大将は来た。 「今日弔問に行っておかないで....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
はそれでやっと納得がいった、といったような顔をした。 まだ暑い季節だったため、
入棺はその晩のうちにすまされた。子供たちは、代る代る石で棺の蓋を打ちつけたが、次....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
ある。これは鯛が熊野神の供御《ぐご》となるからだと云われている。棺を船型に造り、
入棺を船入《ふないり》と称え、それを置く場所を浜床《はまゆか》と云うことから推し....
「法然行伝」より 著者:中里介山
たなびき、「音楽」が聞え、さまざまの奇瑞があって五日の卯《う》の時まで続き、翌日
入棺の時もさまざま霊異があって、成程これならば上品上生の往生疑いなかろうと皆がい....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
言に従って、死骸には甲冑を着せ、太刀を佩かせ、六具を纏うて厳めしく武装した身装で
入棺したとのことである。 武蔵が、こんな遺言をしたわけは、彼が養子の宮本伊織へ....