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「全く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
述の物語は、古いマンハットー市(訳註)の市会の席上でわたしが聞いたのと、ほとんど
全くおなじ言葉で述べたものである。この会には同市のオランダ人の古賢名士が多数出席....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、礼拝の形式においてはプレスビテリアンに似ている。しかしこの宗の信者は他の教会と
全く不関焉で、他宗の信者を改宗させるために伝道するというようなこともしない。それ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
て具っていたのである。何が氏をしてかかる不幸な決意をなすに到らしめたのか、原因は
全く不明である。 何不足なく幸福に日を送っているこうした人々を駆って、われと我....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
愛のないことをしたものだろう。 私はヴェルヌの森へ散歩に出かけた。私は、何も、
全く何も考えていなかったのだった。ところが、道で一人の子供がバタをなすったパンを....
「初雪」より 著者:秋田滋
不自然なことのように思っている人間がある。どうしてそんなことを考えるのか、彼には
全くそういう人間の気が知れなかった。春夏秋冬、この四つの季節は、土地を変えること....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
切れないな。」
僕は何か僕自身もながらみ取りになり兼ねない気がした。
「ええ、
全くやり切れませんよ。何しろ沖へ泳いで行っちゃ、何度も海の底へ潜《もぐ》るんです....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ャスパア》の色のようにあまりに重く緑を凝らしている。といって潮の満干《みちひ》を
全く感じない上流の川の水は、言わばエメラルドの色のように、あまりに軽く、余りに薄....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
気がついたものと見えて、巧に相手を操《あやつ》りながら、いつか話題を楢山夫人とは
全く縁のない方面へ持って行ってくれましたから、私はやっと息をついて、ともかく一座....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
て、何気なくその方を一瞥した。するとその襖側《ふすまぎわ》のうす暗がりには、私の
全く見知らない四十恰好《しじゅうがっこう》の男が一人、端然として坐っていた。実を....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
噌に焦《こ》げついている。斬られた。斬られた。――こう心の中に繰返しながら、彼は
全く機械的に、汗みずくになった馬の腹を何度も靴《くつ》の踵《かかと》で蹴《け》っ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
その手前でさえ、先生の八犬伝には、なんとも批《ひ》の打ちようがございません。いや
全く恐れ入りました。」
馬琴は黙ってまた、足を洗い出した。彼はもちろん彼の著作....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
。まず、第一に自分の懐いていた、二つの疑問とは何であるか。――
第一の疑問は、
全く事実上の問題である。「さまよえる猶太人」は、ほとんどあらゆる基督《キリスト》....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
まるで御自分を嘲るように、洒落《しゃらく》としてこう仰有《おっしゃ》います。が、
全く当時の若殿様は、それほど御平生に似もやらず、恋慕三昧《れんぼざんまい》に耽っ....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
をふりまわして「兄さん万歳」を連叫《れんきょう》する。――それが、いよいよ、君が
全く見えなくなるまで、続いた。
帰りぎわに、ふりむいて見たら、例の年よりの異人....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
思った。それは今まで調べられた、どの切支丹門徒《きりしたんもんと》の申し条とも、
全く変ったものであった。が、奉行が何度|吟味《ぎんみ》を重ねても、頑として吉助は....