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全家
「全家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「花燭」より 著者:太宰治
いながらも、私は、私の家を自慢している。厳粛な家庭である。もし、いま、私の手許に
全家族の記念写真でもあったなら、私はこの部屋の床の間に、その写真を飾って置きたい....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
守の八幡の大鳥居の下へ、金二百円を新聞包みにして置くこと。もし実行しないならば、
全家を爆裂弾をもって焼き払うべし」というたわいもないことを並べたてたのです。その....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
になって、東京が郊外に膨脹をはじめ、電車もひけるようになってから、初めて松木家の
全家族がここに移り住むことになったのです。 しかしそれからというものは松木家に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
粂もやせてかえって娘らしさを増したような姿を祖母や母のそばにあらわした。こうした
全家族のものが門前に集まることは本陣ではめったになかった。多年村方の世話をして来....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
方面だけでも久兵衛の指に折りきれないほどあった。そう言えば、師の平田鉄胤も今では
全家をあげて京都に引き移っていて、参与として新政府の創業にあずかる重い位置にある....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
ている。襖を開けて室に入ろうとはしない。それもその筈で、その室の中には、彼以外の
全家族が入っているのだ。皆、マスクがない。その室はすっかり密閉され、隙間隙間には....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
懇願にもかかわらず、しまいには追い払われてしまった。それで子供は、父と弟どもなど
全家を、一人で支持してゆかなければならなくなった。 かくてクリストフは、十四歳....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。しかし彼のこれまでの生活の均衡は、そのために以後はすっかり破られてしまった。
全家族のうちで、クリストフがなんらの注意をも払わなかった者は、ただ一人きりだった....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
音を立ててるらしく思えた。その苛《い》ら立った肱金の恐ろしい響きは、地震のように
全家を揺り動かさないではおかなかったろうと彼には思えた。扉は彼に押されて、変を告....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
や子供たちは血を出さないと思うのか。そうではない。彼を殺すことによって諸君は彼の
全家族の首を切る。この場合にもやはり諸君は無辜の人々をやっつけるのである。 拙....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
なかった。 こうしてわたしがイギリスへ上陸したとき、あれほどの愛情を感じていた
全家族はわたしに背中を向けた。たった一人赤んぼうのケートが、わたしのかまうことを....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のほかに、お民、おしの、という大そう不別嬪の女中が下働きをしている。以上が川木の
全家族であった。 土蔵の中の藤兵衛は、毎朝七時に熱いお茶をのむ習慣があって、お....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
しかしこの外見的利益は、同様に、仕事が少かったり、働く能力と意思とを有つ労働者の
全家族員に仕事が見つからなかったりして、しばしば相殺されて余りあることとなる。こ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ッタリ三味線が止んで現れたのはシラフの真面目な椿岳で、「イヤこれはこれは、今日は
全家が出払って余り徒然なので、番茶を淹れて単りで浮れていた処サ。」と。多芸も多芸....
「味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
間一般が常に口にするものは、せいぜい五十種か百種であろう。驚くべき無関心である。
全家庭は大体偏食をつづけているようである。本来言うならば、近来流行している栄養医....