全市[語句情報] »
全市
「全市〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全市の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第五氷河期」より 著者:海野十三
牢を誇っていた警視庁は、無残にも、半壊してしまった。 そういうわけだから、東京
全市にわたって、倒壊家屋は数しれず、しかも先年の震災のときと同じように市内七十数....
「透明猫」より 著者:海野十三
。六さんも透明人間《とうめいにんげん》になりつつあるらしい。 さわぎはその日に
全市へひろがった。 それはあっちでもこっちでも、人間がかげがうすくなる事件、だ....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
てな、もしやの事があるとすると、何より恐ろしいのはこの風だよ。ジャンと来て見ろ、
全市|瓦は数えるほど、板葺屋根が半月の上も照込んで、焚附同様。――何と私等が高台....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
早暁、帝都の西郊から毒|瓦斯フォルデリヒトを撒きちらし、西風にこれを吹き送らせて
全市民を殺戮しつくそうという、前代未聞の計画であった。彼等は十三台の飛行機にそれ....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
但し発砲の音というよりも、自動車がパンクしたような音に近かったという。これは帝都
全市のタクシーや自家用自動車につき調査中であるから、二三日のうちに判明するであろ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
たような此の愛宕山の頂きは平らかで、公園ベンチがあちこちに並び、そこからは、東京
全市はもちろんのこと、お天気のよい日には肉眼ででも、房総半島がハッキリ見えた。「....
「赤外線男」より 著者:海野十三
ていられるのも、永い時間ではなかった。ここに突如として赤外線男の魔手は伸び、帝都
全市民の面は紙のように色を喪って、「赤外線男」恐怖症に罹らなければならなくなった....
「蠅男」より 著者:海野十三
始めるんだ!」 警官隊も、この検事の激励の辞にふるい立った。そして此処に、大阪
全市をあげての警備陣が組織され、厳重を極めた大捜索戦の幕が切って落とされた。怪人....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
た。「いや全く、ぐずぐずしてはいられない。直ぐに警官を増援してくれ給え。そうだ、
全市の交番へも通牒して……」 吉岡司法主任は、眼の色を変えて、あたふたと母屋の....
「見えざる敵」より 著者:海野十三
どこかに姿を消してしまったのである。 ウルランド氏の失踪事件は、たちまち上海の
全市に知れわたった。 「大東新報社長、白昼レーキス・ホテルの密室内に行方不明とな....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
と花籠とは、少女たちの胸に抱かれ、飾りたてられたトラックの上にのせられ、そこから
全市の各工場地帯に向かって出発したのであった。房枝の組は、城南方面であった。 ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
れた。それで、救護班の手によって、大いそぎで病院に送られて行った。
何しろ東京
全市も大混乱しているので、新田先生の手当も、早くしなければならぬのに、だんだんお....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
巡業の新劇団、女優を主とした帝都の有名なる大一座が、この土地に七日間の興行して、
全市の湧くがごとき人気を博した。 極暑の、旱というのに、たといいかなる人気にせ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ているこのラザルスを見た市民は、驚異の感に打たれて眉をひそめた。二日の後にローマ
全市は、彼が奇蹟的によみがえったラザルスであることを知るや、恐れて彼を遠ざけるよ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
夕九時、英船仏山号に移りてカントンに向かう。ホンコンの夜景は海上より一見するに、
全市万灯中にうずめらるるの趣あり。山媚水明に加うるに、この夜景をもってし、大いに....