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「全智〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

全智の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
た。が、彼はアスパラガスに一々ナイフを入れながら、とにかくたね子を教えるのに彼の全智識を傾けていた。彼女も勿論熱心だった。しかし最後にオレンジだのバナナだのの出....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ょっと卑見を開陳《かいちん》してご高慮を煩《わずら》わしたい事がある。古代の神は全智全能と崇《あが》められている。ことに耶蘇教《ヤソきょう》の神は二十世紀の今日....
善の研究」より 著者:西田幾多郎
とはできないか。また世界が或目的に従うて都合よく組織せられてあるという事実から、全智なる支配者がなければならぬと推理するには、事実上宇宙の万物が尽《ことごと》く....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
い人生は 眠るか酔うかしてすごしたがよかろう! 註 番号 4 知者――全智の神。 6 水の上に瓦を積む――意味のない妄想にふけること。 12 「世の燈....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
物を考える処である』 『脳髄は科学文明の造物主である』 『脳髄は現実世界に於ける全智全能の神である』 ……と……。 脳髄はこうして宇宙間最大最高級の権威を僭....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
したのが人間で、人間の立身したのがキチガイで、キチガイの上が神様なんだから、まだ全智全能とまでは行きかねる吾輩だ。腹が減って相談相手が欲しくなるのは当り前だ。 ....
モスクワの姿」より 著者:宮本百合子
名は聖書だ。 ところで、聖書には、神の行った実に数々の奇蹟が書かれている。神は全智全能だと書かれている。けれども、妙なことが一つある。それは、その厚い聖書を書....
省察」より 著者:デカルトルネ
うちに含んでおり、さらにまた私がそれによって或る至高にして、永遠なる、無限なる、全智なる、全能なる、そして自己のほかなる一切のものの創造者たる、神を理解するとこ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
「根津仏町に祈祷者住む、カアバ勘解由と云う。祈祷して曰く、『最も慈悲深き神よ、全智全能の神よ、死後まで祈祷すべし、尚神に願うべきことあり、正直に導けよ、邪道に....
東京文壇に与う」より 著者:織田作之助
りそうな形勢が見えれば、名人位を大阪にもって行かせるなと、全東京方棋師は協力し、全智を集注して自分に向って来るだろうと、言ったということである。私はこれをきき、....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
長兵衛という人を頼んでみたくなるようなものを覚えてくるではないか。圓朝といえども全智全能ではないから何から何まで弁《わきま》えているわけではなく、その都度しらべ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
のである。――彼自身その世界の生き物ではなかったか? 彼にはなにもできなかった、全智全力を尽くして、彼のなしうることとは、ただ辛抱づよく働き、待ち、見守ることだ....
ソクラテス」より 著者:新渡戸稲造
列挙するならば、それこそ僕を換うるもなお足らぬであろう。勿論、ソクラテスだとて、全智全能の神ではないから、欠点を探れば相応に求め得たであろう。けれども、私はこの....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、若いもの共は所詮守ることは出来ないのか。 ああ、全能でおいでなさる通に、君主が全智でおいでなさることは所詮出来ないのか。 もう火が木立に燃え移った。 尖った....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
われわれが認知するところよりして、われわれは結論する――神は永遠であり全能であり全智であり遍在であると。一切の欲望から解脱しているが故に真に強いものはただ彼だけ....