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全盛期
「全盛期〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全盛期の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
なごうとした。健康が衰えて行けば行くほどこの焦躁のために葉子の心は休まなかった。
全盛期を過ぎた伎芸《ぎげい》の女にのみ見られるような、いたましく廃頽《はいたい》....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
はっきり記されてある。享禄以降天正までと云えばいわゆる戦国の真っ最中で武田信玄の
全盛期である。 富士の裾野、鍵手ヶ原のこんもりとした森の中に一宇の屋敷が立って....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
・の領域に或る種の実を結ぼうとし始めたからである。 この哲学は日本に一時方法論
全盛期を画したのであったが、その観念論らしい欠陥の一つは、夫が極めて形式主義的な....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
故に油絵技法とその組織というものは、私の考えによると、十六世紀の時代においてその
全盛期であり、油絵技法の最頂点を示し、その時代と人間の生活との親密にして必然の要....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
の疑問を※まねばならない。
人も知っている通り、数年前までのマルクス主義思想の
全盛期に於て行われたインテリゲンチャ論は、大体から云って、資本主義社会に於ける階....
「最近日本の科学論」より 著者:戸坂潤
ることは、あたり前である。だが自然科学になると事情は少し別な筈で、マルクス主義の
全盛期に於ても、自然科学に関する科学論の意義は、専門家の間に充分の関心を呼び起こ....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
てくる、葛城太夫《かつらぎたゆう》と、丁山《ちょうざん》という二人の遊女が、吉原
全盛期の、おなじ張《はり》と意気地《いきじ》をたっとぶ女を出して、太夫と二枚目、....
「地上」より 著者:島田清次郎
。唯一の後援者であった政治家が死んだとき、そのまま芸者稼業をしているにはあまりに
全盛期の我儘が敵をつくりすぎていた。お幸の母は廃れてゆく容色や、肉身の若さを感じ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
まる……というもおかしな話ですが、まずそういった形であった。 当時、牙彫の方は
全盛期であるから、その工人も実に夥多しいもので、彫刻師といえば牙彫をする人たちの....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
つとおせんや、「於伝仮名書」の高橋お伝などを見せていたが、恐らくその当時が彼女の
全盛期であったのであろう。女団洲粂八の名は東京中に知れ渡って、その名声|嘖々たる....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
日で、一代の皮肉家緑雨を弔うには極めて相応しい意地の悪い天気であった。 緑雨の
全盛期は『国会新聞』時代で、それから次第に不如意となり、わざわざ世に背き人に逆ら....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
葉』の章句あるひは「薗八《そのはち》」の曲節を連想せしむるものならずや。湖龍斎が
全盛期の豊艶なる美人と下《くだ》つて清長の肉付よき実感的なる美人の浴後裸体図等に....
「断食芸人」より 著者:カフカフランツ
うなのであり、実際、年をとっていくのに衰えないこの芸の特性を思うと、もはや技能の
全盛期にはいない老朽の芸人が落ちついたサーカスの地位に逃げこもうとしているのだ、....
「はつ恋」より 著者:神西清
ーノフは自作の『人殺し』という長詩の一節を朗読したが、(それはロマンティシズムの
全盛期に取材してあった)、彼はこの作品を、黒い表紙に血色の題字で、出版するつもり....