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全篇
「全篇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全篇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「軍用鼠」より 著者:海野十三
あるから、そういうハデな材料はもっとハデに生かさなければ面白くない。況んや、この
全篇を通じて探偵小説らしい伏線は、この卓子を汚すということだけなのであるから、そ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
いて。その癖、素銅の矢立、古草鞋というのである。おしい事に、探偵ものだと、これが
全篇を動かすほど働くであろう。が、今のチンドン屋の極めて幼稚なものに過ぎない。…....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
身振りで他国の言葉を覚えてゆくとか、物の大小の対比とか、そういう発想法はガリヴァ
全篇のなかで繰返されています。この複雑な旅行記も、結局は五つか六つの回転する発想....
「活動写真」より 著者:淡島寒月
において頗る秀でたものであると信じている。もっとも私は同嬢の技芸以外この「空蝉」
全篇のプロットにも非常に感興を持って見たし、共鳴もしたのであった。そもそもこの「....
「映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
来る。階段を上りつめてドアの前に少時|佇む。その影法師が大きく映る、という場面が
全篇の最頂点になるのであるが、この場面だけはせめてもう一級だけ上わ手の俳優にやら....
「映画雑感(Ⅴ)」より 著者:寺田寅彦
どこにもあくどいところやうるさいところがなくて上へ上へと盛り上がって行くような
全篇の構成を観賞しつつ享楽することが出来るようである。 二 家なき児....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
殊に前半期の多くの作にあっては、筋はあまり顧慮ないしは重視されず、誇張して言えば
全篇が挿話の連続であり、豊かな興味は主として作中諸人物の滑稽感や哀感に集中してい....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
ている。 つまりその娼婦を、男装させて連れ帰ったと云うのが、悲劇の素因となり、
全篇を通じて、色あでやかな宮廷生活が描写されて行く。そして、ホレイショはまず、嫉....
「悲願に就て」より 著者:坂口安吾
毛の中から沙漠の砂がパラパラとこぼれてくるというあたりは却々気の利いた精密さで、
全篇の空想の中に作者が常にこれくらい快適に浸りきっていたならこの空想も救われたの....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
王と藤原鎌足らが草の根をわけて徹底的に焼滅せしめたのに相違ない。 そして、書紀
全篇の中で、ただ一ツ調子が妖しく乱れて、テンカン的にざわめき立っているのがこの一....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
を拾収し、維新の大業を完成せしむるに余力を剰さざりし所以にあらずや云々」とは評論
全篇の骨子にして、論者がかかる推定より当時もっとも恐るべきの禍は外国の干渉に在り....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
着けたのは、例えば名将の隊伍を整えて軍を収むるが如くである。第九輯巻四十九以下は
全篇の結末を着けるためであるから勢いダレる気味があって往々閑却されるが、例えば信....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
する人々にも愛読され得る作品である。この作が凡百の軽文学を遥かに抜いているのは、
全篇の構成から措辞の末に至るまでに滲透している作者の芸術的感覚と手腕とによってで....
「学究生活五十年」より 著者:津田左右吉
易に読み得られ、前には大ざっぱに読んだりぬきよみをしたりしたものが、こまかにまた
全篇を通読することができるようになったから、そういうものをくりかえして読むことも....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
教訓は誨淫の書といわれる人情本を勧善懲悪などというよりも名実相副うものであろう。
全篇悉くイソップ物語から取ったのではなく、中には明白に『世説』とか『説苑』とかと....