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「全線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

全線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
》なんで、土台をどうとかして、どうとかして、鉄軌と鉄軌の間を混合金属で塗り固めて全線をたった一本の長い棒にしてしまって……とあたかも自分が技師であるかのごとき自....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
亢奮して歩き続けた。 もうこの附近はW駅の西端に近く、二百|米程の間に亙って、全線路が一様に大きく左にカーブしている。私達は幅の広いそのカーブの中を、懐中電燈....
島原の乱」より 著者:菊池寛
様を貞清見て、貝を吹いて退軍を命じ、犬死を誡めて、切歯するのを無理に伴い帰った。全線に亙り戦いも午刻には終ったが、寄手は四千余の死傷を出した上に大将を討たせた様....
前哨」より 著者:黒島伝治
くった。もう、彼等は、お互いに××なかった。 三日後、十一月十七日、日本軍は、全線に亘って、いっせいに前進を開始した。 彼等の属している中隊も前進した。そし....
秋風記」より 著者:太宰治
なに一枚一枚くばって歩いた。――事変以来八十九日目。上海包囲全く成る。敵軍|潰乱全線に総退却。 Kは号外をちらと見て、 「あなたは?」 「丙種。」 「私は甲種....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
うものならおそらく見るに堪えない退屈なものになるにちがいない。 ソビエト映画「全線」というのを見た。これも肝心な所が省略されているそうであるが、それでもおもし....
破片」より 著者:寺田寅彦
象の一つは、各線路における各時刻の乗客数の異常である。少なくも争議開始後二三日は全線いったいに乗客が少ないではないかと思われた。これは市民の出足がなんとない不安....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
なかったのである。その夜も各瞬間は彼に喜びの情を与えた。彼は前哨《ぜんしょう》の全線を見回って、あちこちに立ち止まっては騎哨に言葉をかけた。二時半にウーゴモンの....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
それが解けるまで立ち止まることもあった。一つの馬車に故障が起これば、それですぐに全線が動けなくなった。しかしやがて行進は始まるのだった。 婚礼の馬車は、バステ....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
はなはだ多きをもって、六月三日も平常の如く絶えず線路を使用し、二|哩四分の一なる全線に沿うて数百の労働者が就業しつつありしも、本線より列車の闖入せるを認めたるも....
発明小僧」より 著者:海野十三
、なるほど。」 小僧「だから乗客は殖える。キセル乗りをよして、娯みだからちゃんと全線の切符を買うようになる。鉄道省の収入は大いに殖えて、一割の切符払い戻しなんか....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
であった。 四月二日払暁、ロヴェレット南方より、スガナ渓谷にいたる、トレンチノ全線の砲兵が、約二千門といわれる砲列の火蓋を切った……。それが伊墺戦線最大の殺戮....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
その春のくれ、夏の初めから山の手線の複線工事が開始せられた。目黒|停車場の掘割は全線を通じて最も大規模の難工事であった。小林浩平は数多の土方や工夫を監督するため....
くまと車掌」より 著者:木内高音
りに、かたい鉛筆をなめなめ、日記をつけた。つぎの停車駅までは、約一時間もかかる。全線で一ばん長い丁場だった。日記をつけてしまうと、することもなくなったので、まど....
年賀郵便」より 著者:岡本綺堂
蔵門から数寄屋橋見附までと、神田|美土代町から数寄屋橋までの二線に過ぎず、市内の全線が今日のように完備したのは大正の初年である。 それであるから、人力車に乗れ....