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全額
「全額〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全額の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
要《い》るようなことはなし、そんなには要らない」 「いいからお持ちなさいよ」 「
全額《みんな》もらったらおまえさんが窮《こま》るだろう」 「私はまた明日《あす》....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
の一件の埒をあけてくれろと頼むように言った。 もともとこっちの過失であるから、
全額をつぐなえと言われても仕方がない。それを半額に負けてやる、年季が済めば返して....
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
て行ったか? 金貨は残しておいてあったんだぜ。銀行家のミニョー氏の言ったほとんど
全額が、袋に入ったまま床の上にあったんだぜ。だから、家の扉のところで金が渡された....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
が出来る範囲以上に辛抱した。 ある夕方、五人の代表者があげられた。給料の即時、
全額支払を要求した。 王洪吉もその代表者となった。頭の下げっぷりの悪い、ひねく....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
。高輪の時は附近の人に質すと確に半焼けであるにも係わらず、保険会社では動産保険の
全額を支払っていた。神田の時は支倉の隣家の人が放火をしたのだと錦町署へ密告したも....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
か、「健保」が施行されてから、会社は職工の私傷のときには三分の二、公傷のときには
全額の負担をしなければならないのをウマク逃れてしまっていた。「健保は当然会社の全....
「家」より 著者:島崎藤村
しかし、弟として、出来得るかぎりの力は尽さなければ成らないような気がした。せめて
全額でないまでも、送金しようと思った。その為に、三吉は三月ばかり掛って漸く書き終....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
りなく心得ている。 昔からありふれたのに手金サギというのがあったが、近ごろのは
全額前払い、そう変ったゞけなのだろう。 昔は物が有り余っていたから、商人は売り....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ない、というのであった。動産、不動産、病院の諸設備に至るまで財産に見積って、その
全額のキッチリ半分、ちゃんと金額を明示して、これだけの持参金がなければいかぬ、と....
「中庸」より 著者:坂口安吾
、費用の負担をまぬがれたい一念によるものの如くである。村の噂によれば、結局羽生が
全額負担することになったという話であった。 思えば羽生も不思議な人物である。あ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
レ秘策をねり、こころよく熟睡したが、翌日はなんぞはからん、第十レースにして所持金
全額を使い果し、一敗地にまみれて明るいうちに伊東の地へ立ち帰る仕儀と相成ったので....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
郎がもうける。つまり多門の言葉を信用していたのである。そして久五郎がペルメルから
全額支払いをうけて大モウケのあかつきにはタンマリ割前をとる胸算用であった。 意....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
りました。
帝
そして人民は金貨の代に受け取るのか。
宮中や軍隊の給料の
全額払が出来るのか。
そうだと、奇怪だと思うが、認めずばなるまい。
大府....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
のつきつめた心情を理解する心がなかったのであろう。恐らくやや中腹になったらしく、
全額を十円札で支払ったということである。百万円に近い金額が十円札でどれほどの嵩に....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
の道具たらしめんとしております。また義務教育学校職員法の制定によって、義務教育費
全額国庫負担という美名のもとに、教員を国家公務員として、その政治活動の自由を奪い....