» 八つ

「八つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

八つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
いき》をして、おもむろに風呂の中を見廻した。うす暗い中に浮んでいる頭の数は、七つ八つもあろうか。それが皆話しをしたり、唄《うた》をうたったりしているまわりには、....
老年」より 著者:芥川竜之介
きこえるのは、薮柑子《やぶこうじ》の紅い実をうずめる雪の音、雪の上にふる雪の音、八つ手の葉をすべる雪の音が、ミシン針のひびくようにかすかな囁きをかわすばかり、話....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、一体どんな怪物なのです。」「人の噂《うわさ》を聞きますと、頭《かしら》と尾とが八つある、八つの谷にも亘《わたる》るくらい、大きな蛇《くちなわ》だとか申す事でご....
或る女」より 著者:有島武郎
執着と死への恐怖とが、今まで想像も及ばなかった強さでひしひしと感ぜられた。自分を八つ裂《ざ》きにしても貞世の命は取りとめなくてはならぬ。もし貞世が死ねばそれは自....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
彼等は一匹の鼠も争わない訣には行かなかった。 「この頃みんなの持って来る鼠は大抵八つ裂きになっているぜ。寄ってたかって引っぱり合うものだから。」 ガンルウムに....
追憶」より 著者:芥川竜之介
。 三 庭木 新しい僕の家の庭には冬青、榧、木斛、かくれみの、臘梅、八つ手、五葉の松などが植わっていた。僕はそれらの木の中でも特に一本の臘梅を愛した....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
自分の観念の中でこの卵を二分し、それで天と地とを造った。そして両者の中間に気海と八つの星天(第六図、対一〇五頁)と及び水を容るべき測り難い空間を安置した。かくし....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
、くたびれ脚を引摺ったのは、目も耳もかくれるような大な鳥打帽の古いのをかぶった、八つぐらいの男の児で。これも風呂敷包を中結えして西行背負に背負っていたが、道中へ....
古狢」より 著者:泉鏡花
が手巾でよく払いて、縁台に腰を掛けるのだから、じかに七輪の方がいい、そちこち、お八つ時分、薬鑵の湯も沸いていようと、遥な台所口からその権ちゃんに持って来させて、....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
も、石塔も、倒れたり、のめったり、台に据っているのはほとんどない。それさえ十ウの八つ九つまでは、ほとんど草がくれなる上に、積った落葉に埋れている。青芒の茂った、....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の方へ、半町ばかり浜のなぐれに隔つる処に、箱のような小船を浮べて、九つばかりと、八つばかりの、真黒な男の児。一人はヤッシと艪柄を取って、丸裸の小腰を据え、圧すほ....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
明るいためにかえって人形遣いの方が邪魔になってよほど趣きを打壊すが、昔は暗い上に八つ口だけの赤い、真黒な「くろも」というものを着附けていたので目障りではなかった....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
びらというのが、一枚一枚、真珠を半分にしたものでした。それからまだおばあさまは、八つまで、大きなかきを、ひいさまのしっぽにすいつかせて、それを高貴な身分のしるし....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
小田原|熱海間に、軽便鉄道|敷設の工事が始まったのは、良平の八つの年だった。良平は毎日村|外れへ、その工事を見物に行った。工事を――といった....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
のない事は註に及ばぬ。 風呂敷には、もう一品――小さな袖姿見があった。もっとも八つ花形でもなければ柳鵲の装があるのでもない。単に、円形の姿見である。 婦も、....