八つ当り[語句情報] » 八つ当り

「八つ当り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

八つ当りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
男女同権」より 著者:太宰治
男らしく、もっと元気を出して、交際を派手にやるようにしなければいけない、とまるで八つ当りのお説教をするのでございます。 私はその頃、或るインチキ新聞の広告取り....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
ゃらけた女どもがいらぬ差し出口。控えておれ」 武者苦者腹《むしゃくしゃばら》の八つ当りに、源三郎は叱りつけた。叱られてもお花は驚かなかった。彼女は白い歯を見せ....
食魔」より 著者:岡本かの子
て引懸り包まれ易い危険があったのだった。鼈四郎の世間に対する不如意の気持から来る八つ当りは、横暴ないい付けとなって手近かのものへ落ち下る。彼女はいつもびっくりし....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、三年ぶりでここに帰ってくると、あなたには思いがけない僕という人間ができている。八つ当りしたくなるのも無理はないでしょうよ」 しかし、マヌエラはかなしそうな目....
十五年間」より 著者:太宰治
雑誌社に送ったりなどしているうちに、何だかひどく憂鬱になって来た。 またもや、八つ当りしてヤケ酒を飲みたくなって来たのである。日本の文化がさらにまた一つ堕落し....
」より 著者:太宰治
ょっこり訪ねて来た小学時代の同級生でいまはこの町の名誉職の人に向って、そのような八つ当りの愚論を吐いた。名誉職は笑って、 「いや、ごもっとも。しかし、それは、逆....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
るまでだ。こら、漁師、馬を貸せ。この二人の娘さんが乗るのだ。早く捜して来い!」と八つ当りに呶鳴り散らし、勢いあまって、八重と鞠を、はったと睨み、 「その泣き顔が....
惜別」より 著者:太宰治
くらんでいるのではなかろうかと、何が何やら、旅順が落ちないばかりのむしゃくしゃの八つ当りであの夜、私に説教したのだという。私はそれを聞いて内心大いに呆れたが、し....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
ろは……」 秘書が心配そうに聞いた。もしこれが博士の気に入らないと、博士はまた八つ当りの体たらくとなり、大暴れに暴れまわるに相違ないからであった。 「うん、ど....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まり、讃美に進み、その弁妄《べんぼう》となり、釈明となり、ついには相手かまわずの八つ当りとなってしまいました。 こうなって来ると、衾《ふすま》の上に就眠の体勢....
貞操問答」より 著者:菊池寛
も、それに準じて、勢いを収めて、見る内に、山の頂きには青空が顔を出した。 雷の八つ当りは、もう大丈夫だろうかと検すように、森の中でかっこうがホルンを吹奏した。....
佳日」より 著者:太宰治
ずかしくて、行けたものでない。縁談がぶちこわれたってかまわぬ。勝手にしろ、という八つ当りの気持だった。 「君が、ひとりで行ったらいいだろう。僕には他に用事もある....
だいこん」より 著者:久生十蘭
うしようと思ったって、どうにもできるものではないけれども、あたしとしては、鎧扉に八つ当りをし、そんな飛行機なんか見てやるもんかと力むぐらいのレジスタンス(面《つ....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
、八丁堀御役向でさえ一目置いていたほど、当時江戸御用聞のあいだに有名な天下御免の八つ当りであった。今の三次がそれである。長屋の衆は呆気にとられてしまった。 「え....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
物好でも、こんな大風の晩に出歩くこたあねえからな。」惣平次は、将棋に負けたので、八つ当り気味に、「おらあ好かねえよ。稼業たあ言い条、こんな石場の突鼻に住んでるな....