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八寸
「八寸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
八寸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自叙伝」より 著者:大杉栄
う。彼女はごく小さな手提げを持っていた。しかし、あんな小さな手提げの中では、七、
八寸ものでも隠せまい。すると彼女はそれを懐ろの中にでも持っているのかな。とにかく....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
で、児をおあやしのような、鬼子母神の像があった。御面は天女に斉しい。彩色はない。
八寸ばかりのほのぐらい、が活けるが如き木彫である。 「戸を開けて拝んでは悪いんで....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
革帯を陰気に重く光らしたのが、鉄の火箸で、ため打ちにピシャリ打ちピシリと当てる。
八寸釘を、横に打つようなこの拷掠に、ひッつる肌に青い筋の蜿るのさえ、紫色にのたう....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ウん、八貫、八貫、八貫と十ウ、九貫か、九貫と十ウだ、……十貫!」 目の下およそ
八寸ばかり、濡色の鯛を一枚、しるし半纏という処を、めくら縞の筒袖を両方大肌脱ぎ、....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
れ下っていたのだから。 「は、」 ただ伏拝むと、斜に差覗かせたまうお姿は、御丈
八寸、雪なす卯の花に袖のひだが靡く。白木|一彫、群青の御髪にして、一点の朱の唇、....
「露肆」より 著者:泉鏡花
物店は、お馴染のぶっ切飴、今川焼、江戸前取り立ての魚焼、と名告を上げると、目の下
八寸の鯛焼と銘を打つ。真似はせずとも可い事を、鱗焼は気味が悪い。 引続いては兵....
「瘤」より 著者:犬田卯
り、やがて自分の屋敷へ道場を建てて付近の青年に教えたり、自称三段のこの先生は五尺
八寸という雄偉なる体躯にものに興味を覚え、そして運動員として乗り出し、この地のい....
「女の話・花の話」より 著者:上村松園
の埋め合せと申すのでもありませんが、今度は何か描いてみようと思い立ちまして、二尺
八寸幅の横物に、明治十二、三年から四、五年どこの、女風俗を画いております。 あ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、背後へ廻った、とまあ思わっせえ。 遊女は、胸にものがあってしたことか。わざと
八寸の延鏡が鏡|立に据えてあったが、男は映る顔に目も放さず。 うしろから肩越に....
「迷信解」より 著者:井上円了
開きたるに、少し法門の上手なるによりて慢心を生じ、多くの僧侶のおる前にて急に鼻が
八寸ほども高くなり、口は耳の根まで切れたれば、僧ら驚き見るに、長老目をいからし口....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
当時は正岡子規がマダ学生で世間に顔出しせず、紅葉が淡島寒月にかぶれて「稲妻や二尺
八寸ソリャこそ抜いた」というような字余りの談林風を吹かして世間を煙に巻いていた時....
「古い記憶を辿って」より 著者:上村松園
春挙さんが、海辺に童子のいる絵を描かれました。私はその時、〈月下美人〉という、尺
八寸位の大きさの絹本に、勾欄のところに美人がいる絵を描いて出しました。それが、一....
「帯の巾が広すぎる」より 著者:上村松園
が、享保年間の帯巾は五、六寸位であったと思います。そして元禄時代の振袖は一尺七、
八寸からせいぜい二尺位でございましたでしょう。 振袖は男女ともに元服以前につけ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
て、青草地に敷き、樹木も繁茂し、わが春野を望むがごとし。麦田あるも、その長さ七、
八寸に過ぎず。駅道は縦横に貫通す。渓にそいて山隈に入ること十四、五町にして、ラッ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ろにも警官が押寄せたが、その時、私の前に立ちふさがり、私をかばってくれたのが五尺
八寸、二十数貫という巨漢佐藤清吉君であった。佐藤君は相撲取りをしたことがあり、力....