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公平
「公平〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公平の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
野菜も作れない、それだけに野菜の善悪を見る目は自他の別を超越《ちょうえつ》する、
公平の態度をとることが出来る、――つまり日本の諺《ことわざ》を使えば岡目八目《お....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
排技巧と言い無結構と言う、ただ真を描くと言う。冷やかな眼ですべてを描いたいわゆる
公平無私にいくばくの価値があるかは私の久しい前からの疑問である。単に著者の個人性....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
に従わねばなりませぬ。わたくしはこう思いましたゆえ、多門と数馬との立ち合う時にも
公平ばかりを心がけました。けれどもただいま申し上げた通り、わたくしは数馬に勝たせ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
兎《と》に角《かく》或作品の芸術的価値を半ばは認めているのでありますから、容易に
公平の看を与え得るのであります。
「就《つ》いては演習の題目に佐佐木茂索氏の新著....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
んで両極を恐れることなく掴まねばならぬ。若しそれらを掴むのが不可能のことならば、
公平な観察者鑑賞者となって、両極の持味を髣髴して死のう。 人間として持ち得る最....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
隊は少数の精鋭を極めたものとなるであろう(三六―三七頁)。 かくの如き軍隊には
公平に徴募する義務兵では適当と言えぬ。義務はまだ消極的たるをまぬがれない。人も我....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
です土屋さん……省作に気に入らん所でもありますか。なかには悪口いうものもあるが、
公平な目で見ればこの町村千何百戸のうちで省作ぐらい出来のえい若いものはねい。そり....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
るという法もない。これはどうしても国家が育児に関する何らかの制度を設けて、この不
公平を矯めるのが当然だ。第二の社会に自分の後継者を残すのは現社会の人の責任だ。だ....
「転機」より 著者:伊藤野枝
生れた人間ですもの。私たちが、自分の生活をできるだけよくしよう、下らない圧迫や不
公平をなるべく受けないように、と想って努力している以上は、他の人だって同じように....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
身をもってお雪と地位をかえたとすれば、直ちに我を棄てて渠に愛を移すのは、世に最も
公平なことであると思って、満身の血が冷くなった。けれどもあえて数の多量なるものが....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
相談相手であった。 一個の人格者としてのモーゼスも、又|間然する所がなかった。
公平で、正直で、謙遜で、判断力に富んでいると同時に、又絶大の同情心にも富んでいた....
「ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
のの系列以外に出なかつたならば、彼は一種の郷土詩人に終つたかもしれない。すなわち
公平なところ、彼が一流の地位を獲得したのは一にその諷刺ものの系列によつてであると....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
にゴツゴツしたもの許りである。叙景的なものは至って少ない。一体どうした訳だろう。
公平無私とかありのまゝにとかを常に主張する自分だのに、歌に現われた所は全くアイヌ....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
いかげんをいうな。これは俺んだ。 瀬古 そうがつがつするなよ。待て待て。今僕が
公平な分配をしてやるから。(パレットナイフでチョコレットに筋をつける)これで
公平....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
西洋哲学の延長として、その系統にのみ属する考えでゆくのはこれはたして東洋人として
公平なる立場であろうか、どうであろうか。方法論として、その当を得たものであろうか....