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公然
「公然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
らかだった。が、それも無理はなかった。彼女はこの五六年以来、東京の或近在に玄鶴が
公然と囲って置いた女中上りのお芳だった。
お鈴はお芳の顔を見た時、存外彼女が老....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
えては、『何しろいくら開化したと云った所で、まだ日本では妾《めかけ》と云うものが
公然と幅を利《き》かせているのだから。』と、よく哂《わら》ってはいたものなのです....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
と云うのではないか!
それも完《まった》く、誰の罪でもない。己がこの己の口で、
公然と云い出した事なのだ。「渡《わたる》を殺そうではないか。」――己があの女の耳....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
だ》には、その笑い声も次第に大胆になって、とうとうしまいには一番前の机からさえ、
公然と湧き返るようになった。こう云う自分たちの笑い声がどれほど善良な毛利先生につ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の名は、益々多くの敵味方を部落の中につくって行った。従って彼等は機会さえあると、
公然と啀《いが》み合う事を憚《はばか》らなかった。彼は勿論出来るだけ、こう云う争....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
で誰にも洩《も》らしませんでした。しかし今はもう、その時ではございません。世間は
公然、私を嘲《あざけ》り始めました。そうしてまた、私の妻を憎み始めました。現にこ....
「或る女」より 著者:有島武郎
》の間柄になっていた。新橋で車夫が若奥様と呼んだのも、この事が出入りのものの間に
公然と知れわたっていたからの事だった。
それは葉子が私生子を設けてからしばらく....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
徒に渡してやるもいかがなもんだよ。何よりもだね、そんな盗賊とひそひそ話をして……
公然とは出来んさ、いずれ密々話さ。」 誰も否とは云わんのに、独りで嵩にかかって....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
犯すべからざる聖書の教えと矛盾するものだという一点張りで反対した。 ガリレオが
公然とコペルニクスの信奉者であるということを告白しているのは太陽黒点のことを書い....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
作れりゃあ、虫だって作れる筈だ」と云ったのを想い出して、虫の法律的制裁が今日こそ
公然と行われるんだと思った。 丁度四時半頃でもあったろう、小蒸汽の汽笛が遠くで....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
「え、貴下を!」 「うむ、吾を。お貞、ずるい根性を出さないで、表向に吾を殺して、
公然、良人殺しの罪人になるのだ。お貞、良人|殺の罪人になるのだ。うむお貞。 吾....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
なくなった瞬間、ぴんと立ち、しゃんとして、相かわらず頭を高く上げているのだった。
公然と戦場で彼の敵と相対峙するのは正気の沙汰ではなかった。なにしろ敵は恋路を邪魔....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
更らに奇怪なりしは仏国公使の挙動にして本来その事件には全く関係なきにかかわらず、
公然書面を政府に差出し、政府もし英国の要求を聞入れざるにおいては仏国は英と同盟し....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
アメリカの軍事ブロックに参加することを再確認し、さらにアメリカとの共同防衛体制に
公然と加入することになり、日本の軍事力の増強とアメリカへの軍事的義務の遂行を強制....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
。 協和会の公式声明を知らなかった私はその後の満州国、北支の状況上、東亜連盟を
公然強調する勇気を失っていたが、昭和十三年夏病気のため辞表を提出した際、上官から....