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共棲
「共棲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
共棲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
一の虚偽《きょぎ》を強要していることである。相矛盾せる両傾向の不思議なる五年間の
共棲《きょうせい》を我々に理解させるために、そこに論者が自分勝手に一つの動機を捏....
「蠅」より 著者:宮本百合子
で人間一人の顔や体の全体が見られるものなのであろうか。蠅は、人類という、地球上の
共棲者に対しどんな概念をもっているのか。源一は、小学校の理科で蠅や蜻蛉《とんぼ》....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
というような聖書の説明の方が心に適い、また事実に近い気がする。私たちの魂は善悪の
共棲の家であり、そして悪の方がはるかに勢力を逞しくしている。しかし心を深く省みれ....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
とは登志子にとってはいともやさしいことに思えた。そしてなお彼女は修学中であった。
共棲するまでには半年の猶予があったので、その間にどうにもなると思っていた。 帰....
「深く静に各自の路を見出せ」より 著者:宮本百合子
に、絶えず聰明な、透徹した眼を据えなければなるまい。 或る女性が、彼女の十年来
共棲して来た良人を棄てて、新たに甦った人生を送るために愛人の許に馳った。斯様な一....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
笹屋」は妓名の時の屋号ではない。笹屋の名は公爵|岩倉具張《いわくらともはり》氏と
共棲《ともずみ》のころ、有楽橋《ゆうらくばし》の角に開いた三階づくりのカフェーの....
「山茶花」より 著者:岡本かの子
ひとの世の男女の 行ひを捨てて五年 夫ならぬ夫と
共棲み 今年また庭のさざんくわ 夫ならぬ夫とならびて 眺め居る庭のさざんく....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
とは、うまい新語があるもの。平和の時代の言葉ではない。配給という特殊時代の言葉と
共棲する単語で、ヤミという言葉と同じように、いずれは平和な人々には理解できなくな....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
。『指定の第一の目的が法に基づいて達せられれば、この兄と妹は父と娘の如くに睦じく
共棲しなけれぱならぬ1)。』 1) Id. p. 343. マヌウの法典....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
る。動物学者の symbiosis《シンバイオシス》 と称する生活を同じゅうする
共棲的《きょうせいてき》現象である。ゆえに置く人も独立を失わず、置かるる人も独立....
「日記」より 著者:宮本百合子
分の恋を包むように、良人にも自分の恋を秘するのではないだろうか。結婚したて、永年
共棲した人がどうして其那ことが出来るかと思うだろうが、永年棲んで見ると、却って何....
「日記」より 著者:宮本百合子
うことだ。 問題は、我々が性の差のない二人の女性として、人格の点から、合致して
共棲し得るか得ないかと云うことになる。ただ性のきずなばかりで丈つながって居るのな....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
あまり彼女のなげく時には、どうせどの女をも恋することができないのならば、この女と
共棲しようかとも思いました。けれど私は神を畏れました。何の誓もいたしませんでした....
「「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
がら、さらにその起原に遡りて研究を重ねて見ると、そこには種々雑多の異民族の、混淆
共棲の事実を否定する事が出来ぬ。それはただに考古学者や、人類学者・土俗学者・社会....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
のかといって笑われたことがある。少なくともある幸福な雀は、こうして冬になる前から
共棲しているのであった。 私がいつでも問題にしていたのは、どうしてこのようなが....