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兵卒
「兵卒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兵卒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
たものに近い。
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それ等の城の一つ。この城の門には
兵卒が一人銃を持って佇んでいる。そのまた鉄格子《てつごうし》の門の向うには棕櫚《....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
を始めた、日本国と清国《しんこく》とが憎い。いや憎いものはまだほかにもある。私を
兵卒にした事情に幾分でも関係のある人間が、皆私には敵と変りがない。私はそう云うい....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
らい》ではなかったかも知れない。が、饑《う》えた動物ほど、忠勇|無双《むそう》の
兵卒の資格を具えているものはないはずである。彼等は皆あらしのように、逃げまわる鬼....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
がだんだん微《かすか》な呻吟になってしまいに聞えなくなる。
沈黙。急に大勢の
兵卒が槍を持ってどこからか出て来る。
兵卒の声。
――ここに足あとがあるぞ。
....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
の蓆敷《むしろじき》の会場には、もう一時の定刻|前《ぜん》に、大勢《おおぜい》の
兵卒が集っていた。この薄汚いカアキイ服に、銃剣を下げた
兵卒の群《むれ》は、ほとん....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
んとするものは彼等の成したことに依り、彼等の成さんとしたことを見なければならぬ。
兵卒
理想的
兵卒は苟《いやし》くも上官の命令には絶対に服従しなければならぬ。....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
、ナルドの油の匂をさせた娼婦たちもいた事であろう。あるいはまた、羅馬《ロオマ》の
兵卒たちの持っている楯《たて》が、右からも左からも、眩《まばゆ》く暑い日の光を照....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
ントルは着たと思うと、たちまち姿が隠れると見える。わたしは城の門をはいってから、
兵卒にも遇えば腰元にも遇った。が、誰も咎めたものはない。このマントルさえ着ていれ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
かしい足もとから、全く別な世界が開らけた。 戸々に立ち働いている黒い影は地獄の
兵卒のごとく、――戸々の店さきに一様に黒く並んでるかな物、荒物、野菜などは鬼の持....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
しただけで、直接にはまだ会ったことがなかった。しかしこの旗上げには、どうしても一
兵卒として参加したいと思った。幸徳の『社会主義神髄』はもう十分に僕の頭を熱しさせ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
斧を打ち込んだりしてあるのが眼についた。摸造品ばかりでなく、ほん物のドイツ将校や
兵卒のヘルメットを売っているのもある。おそらく戦場で拾ったものであろう。その値を....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
、胸の略章の一つを指さして見せた。 あとでペチカに聞くと、実際ヘロはヘロで、一
兵卒から将官にまでなって、豪勇無双なのだという。が、ペチカの連中は誰もこのヘロの....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
。駄目だ、駄目だ。精神的にも肉体的にも戦闘能力を全然奪われてしまって、僕は敗軍の
兵卒のようにただ茫然としているあいだに、無数の敵は四方から僕の舟に乗込んで来た。....
「火薬庫」より 著者:岡本綺堂
だけにその秘密が完全に防ぎ切れないらしく、将校たちはさすがに口をつぐんでいても、
兵卒らは佐山君にみな打明けて話した。 「狐が向田大尉どのに化けたのを、哨兵に殺さ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
れた。……彼らは兵士の如く厳格なる規律の下に置かれなかった」と述べてある。軍隊は
兵卒に至るまで道義的であったらしい。しかるに日露戦争については「この前の戦争の時....