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兵気
「兵気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兵気の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「島原の乱」より 著者:菊池寛
徒はスペインなどからの援兵をひそかに期待していたかも知れぬから、外船からの攻撃は
兵気を阻喪させたに違いない。 信綱は持久の策を執る決心をして居たから、兵糧米を....
「運命」より 著者:幸田露伴
や。 燕軍の勢非にして、王の甲を解かざるもの数日なりと雖も、将士の心は一にして
兵気は善変せるに反し、南軍は再捷すと雖も、
兵気は悪変せり。天意とや云わん、時運と....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
とぎすは啼いて天主台のほとりを過ぎ、五月の風は茅渟の浦端にとどまる征衣を吹いて、
兵気も三伏の暑さに倦みはてた、とある。 過ぐる文久年度の生麦事件以上ともいうべ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
それとも北条氏|三鱗《みつうろこ》の旗が霊光を放つことであろうか、猿面冠者の軍略
兵気が真実其実力で天下を取るべきものか。政宗は抜かぬ刀を左手《ゆんで》に取り絞っ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
事があってその第一は「兵の食物」としてあります。食物の善《よ》いと悪いとは何ほど
兵気《へいき》に関係するか知れません。しかし善い食物といっても贅沢《ぜいたく》な....
「三国志」より 著者:吉川英治
帝の御駕は、郊外の近くまでさしかかって来た。するとたちまち彼方の丘の陰から旺なる
兵気馬塵が立ち昇り、一隊の旌旗、天をおおって見えたので、 「や、や?」とばかり、....
「三国志」より 著者:吉川英治
、孫堅はなにか疑われて、後方の味方から兵糧の輸送を絶たれているようです。そのため
兵気はみだれ、戦意は昂らず、ここ内紛を醸しておるようです。――今こそ、孫堅の首は....
「三国志」より 著者:吉川英治
、坐して滅亡を待つべきでもありますまい。それがし城外へまかり向って、およそ寄手の
兵気虚実をさぐる程度に、小当りに当ってみましょう。策は、その上で」 と、陳登と....
「三国志」より 著者:吉川英治
たちがある。なぜもっと早くいわなかったのだ」 そのとき――一陣の殺気というか、
兵気というものか、多年、戦場を往来していた夏侯惇なので、なにか、ぞくのよだつよう....
「三国志」より 著者:吉川英治
いものであるから、思うに、峠や谷間へ、少しの兵をおいて煙をあげ、わざと物々しげな
兵気を見せかけ、この曹操の選ぶ道を、大路の条へ誘いこみ、かえって、そこに伏兵をお....
「三国志」より 著者:吉川英治
ちがいである。用兵神変、孫子以来の人だなどと、取沙汰されておるが、あの陣容とあの
兵気は何事か。芥の山を踏むより易いぞ、蹴ちらせ、あの塵芥を」 張任の一令に、な....