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其の手
「其の手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
其の手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
、甚藏の面《つら》へ毟《むし》り付いたから、
甚「此の野郎」
と組付いた処を
其の手を取って逆に捻《ねじ》ると、ズル/\ズデンと滑って転げると云う騒ぎで、二人....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
商売をしている人だから、矢張り隠居役に芸者屋をして抱えでもして楽にお暮しなさい、
其の手当として友之助の方からは一銭も出来ませんが、私の懐から金子五十両出して上げ....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
れと頼んだ。頼まれた茶屋では迷惑したが、断わるにもことわり切れないで、ともかくも
其の手紙をそっと綾衣に取次いだ。綾衣からも返事があった。 今夜の雨を幸いに、外....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
よりの証拠は左の手先の肉を、骨へまで死人に噛み取られて居て、死人の口に在る肉片と
其の手の傷と同じ者で有った上幾多の似寄った証拠が有った為言い開きは立たず、死刑と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たように匕首をとり直して、自分の咽喉に突き立てようとしたので、半七は飛びあがって
其の手を押さえたが、もう間に合わなかった。彼女の蒼白い頸筋からくれないの血が流れ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う場合には珍らしくない巾着切りである。 「ええ、なにをする」 久兵衛はあわてて
其の手を捉えようとすると、男はそれを振り払って、掴んでいる紙入れを地面に叩きつけ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らに手拭を掴んだに過ぎなかった。爪の長い手が手拭をずるりと引いた時、半七はすぐに
其の手を取って、あべこべにぐいと引くと、不意をくらって怪物は立ち木の枝からころげ....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
か。それに驚いたことは、この差出人は昨夜死んだ細田弓之助其の人なのです。 私は
其の手紙をもう焼いてしまったので今日貴方にお見せするわけには行きませんが、大体こ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
た粗相をして毀すといけませんもの」 長「汝が毀して置きながら、又|其様なこと申す
其の手はくわぬぞ、私が箱から出す、さ此処へ出せ」 千「あなた、お静かになすって下....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
う信じています。 爺さんに強請って、ここを一|室借りましたが、借りた日にはもう
其の手毬を取返され――私は取返されたと思うんですね――美しく気高い、その婦人の心....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
た。ジョルジュは新吉を酔わせて夫人の悪口でも言わせようという企みが見えた。新吉は
其の手には乗らなかった。すると遂々彼は夫人に未練を残していることを白状して、 ―....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
そうだが、まア旦那此の文を御覧なさいよ」 と云うに、丹治はどれ/\と云いながら
其の手紙を取り、 丹治「成程|少さいうちから機織や糸繰ばかりさせて置いて、手習な....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
最終の通信を読んで居たスルイヤは、今まで勝気に胸中の苦悶を圧えつけて居ただけに、
其の手紙の中に書かれてあるドイツの戦死者の未亡人イリデの嘆きに引き入れられて、烈....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
行くと、彼は中腹の稍扁平い岩石の上に立って、先ず彼の安行の死骸を発見した。驚いて
其の手足を検めると、既に数時間の前に縡切れたらしい、老人の肉も血も全く冷えていた....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
現に昨夜も高橋のダラ/″\下りで理不尽な奴が突当りましたが大力な者でした、手前が
其の手を振解き投げたのを遺恨に心得先へ廻って横町から突然に腰を払われましたが、あ....