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其事
「其事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
其事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
特権に与かる事である、「其の名を信ぜし者には権を賜いて之を神の子と為せり」とある
其事である(約翰伝一章十二節)、単に神の子たるの名称を賜わる事ではない、実質的に....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
月初旬には必然帰って来ると云うことでした。」と、お政が先ず口を切った。 「いや、
其事ですが……。」と、安行は市郎を顧って、「倅の云うには、それが為に忠一さんを態....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
との間にあった過ちと同様、内大臣の長男柏木と女三宮との間に生れた子である。源氏は
其事を知って、激しい怒りを、紳士としての面目を保って、無念さをじっとこらえ通して....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
それはつまり、外国人を導いてチベットに入れたチベット人は殺されるものである、また
其事を知って政府に告げざる者は財産を没収されるものである、ということを子々孫々に....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
効果を適当に受けることは、内心の絶対な要求であります。私は国家の善良な臣民として
其事を、要求する権利があると思います。刑罰の効果が、宗教的感化に依って薄弱となっ....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
とはありますまい」 斯う云うと復も俯向いた。 「深い事情がありそうだな。ひとつ
其事情を聞き度いものだ」 「お安いご用でござります。それではお話し致しましょう。....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
目科の振舞に最と怪しく且恐ろしげなる事あるを見て何うせ碌な人には非ずと思いたり、
其事は他ならず、或日目科は当時の流行を穿ちたる最立派なる服を被かざり胸には「レジ....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
好男子なれば妾は何時しかに施寧の目を掠めて又も金起と割無き仲と無れり去れど施寧は
其事を知らず益々妾を愛し唯一人なる妾の母まで引取りて妾と共に住わしめたり母は早く....
「運命」より 著者:幸田露伴
家に至り、官を奪い、且曰く、聞く君が家|建文皇帝をかしずくと。彬驚いて曰く、全く
其事無しと。次の日、帝、楊、葉、程の三人と共に、呉江を出で、舟に上りて京口に至り....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
を申上げとうござる、秀吉関東征伐は今始まったことではござらぬ、既に去年冬よりして
其事定まり、朝命に従い北条攻めの軍に従えとは昨年よりの催促、今に至って小田原へ参....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
余談的に云うと、女は急に頭を上げて勇気に充ちた面持で、小声ではあるが、 「イエ、
其事でございまするなら、一旦其男を出して帰らせました後、直に身づくろい致しまして....
「連環記」より 著者:幸田露伴
う。まさか赤き駿馬に鞭うって、粟津の浜を過ぐるが如し、とあったほどで、前にも既に
其事は述べた。しかも和歌までも堪能で、男ぶりは何様だったか、ひょろりとして丈高く....
「死生」より 著者:幸徳秋水
、是れ私自身に論ずべき限りでなく、又た論ずるの自由を有たぬ。唯だ死刑ちょうこと、
其事は私に取って何でもない。 謂うに人に死刑に値いする程の犯罪ありや、死刑は果....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
山登りには不適当な天候であった。殊に黒部の谷深く入り込もうとする私達には、絶えず
其事が気遣われた。今日も汽車を下りて町をあちこち買物に歩いている中に大雨が降って....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て何を為るのか分からぬが、兎に角田舎住居をしようと思って帰って来た。先輩の牧師に
其事を話したら、玉川の附近に教会の伝道地がある、往ったら如何だと云う。伝道師は御....