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其間
「其間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
其間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
げていた。丁度印刷が出来て来た答礼の葉書の上書きを五人の店員が精々と書いていた。
其間に広告屋が来る。呉服屋が来る。家具屋が来る。瓦斯会社が来る。交換局が来る。保....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
ら、まごまごしていれば足を踏まれる、車が停ったり動いたりする度毎にヨロ/\する、
其間には車掌が『御懐中物の御用心!』と号令を掛ける。足を踏まれまいと用心し、ヨロ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
の縁となったとでも云うのであろう、其後も※事とした。 それから又二三年過ぎた。
其間別に変った事も無かったが、一旦山※と親しんだという風説が、甚だ此の青年に禍し....
「黄金の腕環」より 著者:押川春浪
ても踏み込んで探検する気にはなれず、一歩進んでは二歩退き、二歩進んでは三歩退き、
其間に独り思うには、此林中には立木と草のあるばかり、流星が此処で消えたとて何んの....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
による文芸復興 赤彦が教職を棄てて上京して以来の辛苦は、誠に『十年』である。而も
其間に、酬いられ過ぎるほどに、世間は響応した。却て、世間が文芸復興に似た気運に向....
「死者の書」より 著者:折口信夫
心で待ち続けて居る。 絶望のまま、幾晩も仰ぎ寝たきりで、目は昼よりも寤めて居た。
其間に起る夜の間の現象には、一切心が留らなかった。現にあれほど、郎女の心を有頂天....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
の持って来た、いろいろな知識の映像の、重って焼きつけられて来た民俗である。其から
其間を縫うて、尤らしい儀式・信仰にしあげる為に、民俗民俗にはたらいた内存・外来の....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
う禅寺に葬らせた。 厳島合戦は戦国時代の多くの戦争の中で圧倒的な大勝であるが、
其間に僥倖の部分は非常に少く、元就の善謀と麾下の団結と、武力との当然の成果と云っ....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
様に不審を抱いて今日敵陣を窺って来たが、流石老功の勝家、此処で合戦の月日を延し、
其間に美濃伊勢両国に於て、信孝、一益等をして勢揃なさしめ、秀吉を挾討ちの計略と見....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
驚かしたものである。然かも総赤ぬりで、軒の上に天狗の面とおかめの面とをならべて、
其間に「勿驚煙草税金たった百万円」とか何とか書いてある。この税金の高が、年々にひ....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
ている。不動の金縛りにでも逢ったように、動くことも声を立てることも出来なかった。
其間に武士は悠々と忙かず周章てず茶を立て終えて、心静かに飲み下した。作法に従って....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
か。第一の奇蹟の成功です。 「ハライソ、ハライソ、ハライソ、ハライソ!」 と、
其間も森宗意軒は讃美の声を絶とうとはせず、繰返えし繰返えし唱えるのでした。 そ....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
ー、藻西太郎の伯父|梅五郎老人の殺されたのは一昨夜の九時から十二時までの間ですが
其間丁度藻西太郎は何所に居ました何をして」倉子は煩悶に堪えぬ如く両の手を握り〆め....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
数多の創傷、数多の擦剥、数多の打傷あり背などは乱暴に殴打せし者と見え一面に膨揚り
其間に切傷ありて傷口開き中より血に染みし肉の見ゆるさえあるに頭部には一ヶ所太き錐....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
う条件で帰って行った。それから佐瀬は二週間専心に此の製作に従事し漸く造り上げた。
其間期限の事で一回花野氏から電話があり、こちらからも一度電話をかけたが留守であっ....