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具
「具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
具の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
十二三歳の少年と一しょにぶらぶら仲店を歩いている。少年は父親の手を離れ、時々|玩
具屋《おもちゃや》の前に立ち止まったりする。父親は勿論こう云う少年を時々叱ったり....
「影」より 著者:芥川竜之介
にならないのでございますか?」
これはその側の卓子《テーブル》の上に、紅茶の道
具を片づけている召使いの老女の言葉であった。
「ああ、今夜もまた寂しいわね。」
....
「河童」より 著者:芥川竜之介
も獺《かわうそ》を仮設敵にしているということです。しかも獺は河童に負けない軍備を
具《そな》えているということです。僕はこの獺を相手に河童の戦争した話に少なからず....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
めん》をしてはカッフェやお茶屋へ出入した。彼は僕よりも三割がた雄《おす》の特性を
具えていた。ある粉雪《こなゆき》の烈しい夜《よる》、僕等はカッフェ・パウリスタの....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かった。机の前には格子窓《こうしまど》がある、――その窓から外を見ると、向うの玩
具問屋《おもちゃどんや》の前に、半天着《はんてんぎ》の男が自転車のタイアへ、ポン....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
に蝙蝠印《こうもりじるし》の除虫菊《じょちゅうぎく》が二缶《ふたかん》、ちゃんと
具えつけてあるからである。
わたしは半三郎の家庭生活は平々凡々を極めていると言....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
生だった。彼は格別美少年ではなかった。しかしどこか若木《わかぎ》に似た水々しさを
具えた少年だった。ちょうど十日ばかり以前のある午後、僕等は海から上《あが》った体....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
美しき火桶かな」と云う蛇笏の句を発見した。この句は蛇笏に対する評価を一変する力を
具えていた。僕は「ホトトギス」の雑詠に出る蛇笏の名前に注意し出した。勿論その句境....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
、又宇野浩二は喜劇的精神を発揮しないにもしろ、あらゆる多感と聡明とを二つとも兼ね
具えた人のように滅多にムキにはならない人である。喜劇的精神を発揮することそのこと....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
氏(五七)はかなり楽な生活をしていた人で、幸福であるために必要であるものはすべて
具っていたのである。何が氏をしてかかる不幸な決意をなすに到らしめたのか、原因は全....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
口々に言う。何事かと聞けば隣長屋に明店ありしに突然|暮方二人の男来りてその家の建
具類を持ち去る、大方家作主の雇いしものならんと人も疑わざりしを、深沢が見咎めて糺....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
・三軒先きにあるブランド町の二番地に、ジョージ・リボーという人の店があった。文房
具屋で、本や新聞も売るし、製本もやっていた。リボーは名前から判ずると、生来の英国....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
かりにしていた。彼女は、祖母の祖母がオランダのザールダムから持ってきた純金の装身
具をつけ、昔の粋な胸かざりをつけ、さらに男性の胸をときめかすような短いスカートを....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
人連れの男女が降りて来て、玄関を出ようとしていた。その男は、浄めのお水をかける道
具に指を触れた。そこで、老人は、手がぶるぶる顫えるので、聖水を雨のように地面にこ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
敬されたり、女から愛されたり、群衆から喝采を浴びせられたりする。彼等は人殺しの道
具を引き摺って街を歩く。黒い服を身に着けた通行者は、羨ましそうにそれを眺める。そ....