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「具える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

具えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
時代は今から四十幾年のむかしである。地方は知らず、東京の小学校が今日のような形を具えるようになったのは、まず日清戦争以後のことで、その以前、すなわち明治初年の小....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
巨きな帆立貝であって、凹状の楕円と云ったら当るかもしれない。たぶんここに鐘鳴器を具えるまでは、四重奏団の演奏室に当てられていたのであろうが、したがって中央の扉に....
文学に関する感想」より 著者:宮本百合子
ず、今日の激化した情勢のうちで誰がそのような十分の土台をつくり得た後、敵の襲撃に具えるということができよう。われらは、不意に、陰険に、不条理に短期間、あるいは長....
バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
を真の小説とは言ふべからず。其骨髄を穿つに及び」はじめて小説は小説としての本質を具えるものであると説明しているのであるが、我々にとって興味ある事実は、この画期的....
科学論」より 著者:戸坂潤
又妄想的に拡大したものは、知識。尤もこの種類の哲理観は夫が多少とも文化的な外形を具える必要がある場合には、元来は科学的知識と決して矛盾しないということを強調する....
風景」より 著者:豊島与志雄
の或は文学者の、超絶的に偉大なものの模型が見られる。 然しながら、無数の抽出を具えるこのような頭脳、それを喚起しうち眺める時、或は単に瞥見する時にも、人はなに....
哲学入門」より 著者:三木清
般にあるということではない。人間はすべて個性である。そして専門家として技術的徳を具えることによって、各人の個性は形成され発達させられるということは事実であろう。....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
して戸籍にも編入せられ、日雇その他の労働者として立派に一人前の帝国臣民たる資格を具えることになっているが、それでもなお「旧部落民」からは、「あれはサンカじゃ」と....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
たので、その中の一つが夙く文献の支援を受けて、標準語の地位を占め他を改訂する力を具えるにいたって、ここに始めて永く活きる言葉と、次々に変って行く言葉との、二段の....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
布したものがまじっている。しかし一つの単語の領域を広めるためには、幾つかの条件を具える必要があって、物と一緒に移動して行かぬかぎり、個々の小さな中心で起こったも....