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具合い
「具合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
具合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
ぜられて、私には「官僚」という種属の正体はどんなものなのか、また、それが、どんな
具合いに悪いのか、どうも、色あざやかには実感せられなかったのである。問題外、関心....
「風の便り」より 著者:太宰治
ます。自分と、それから家族の者、せいぜい周囲の、自分に利益を齎《もた》らすような
具合いのよい二、三の人を愛しているだけじゃないか。もっと言おうか。君は泣きべそを....
「禁酒の心」より 著者:太宰治
して、それから雨戸もしめてしまいなさい。人に見られて、羨《うら》やましがられても
具合いが悪いからな。」なにも一目盛の晩酌を、うらやましがる人も無いのに、そこは精....
「饗応夫人」より 著者:太宰治
いものですから、お客はみな立派そうなお医者ばかりでしたのに、一人として奥さまのお
具合いの悪いのを見抜けなかったようでした。 静かな春の或《あ》る朝、その朝は、....
「おさん」より 著者:太宰治
い、しかし、それでも革命を起さなければいけないんだ、革命の本質というものはそんな
具合いに、かなしくて、美しいものなんだ、そんな事をしたって何になると言ったって、....
「親という二字」より 著者:太宰治
れない。金額の正確な報告などは興覚めな事だから言わないが、とにかくその金は、何か
具合いの悪い事でも起って、急に兄の家から立ち退《の》かなければならなくなったりし....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
連中が、こんな品物に釣られる程度に東京慣れしない田舎者で、しかも、懐《ふところ》
具合いは割り合いにいい事が推測されるであろう。 いずれにしても浅草は昔の浅草で....
「河明り」より 著者:岡本かの子
事を引受けていたが、不思議な事には喧嘩相手の無くなったことに何となく力抜けのした
具合いで床につき勝ちになり、それから四年目の木下が十三歳、娘が五つの年に腹膜炎で....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
の足に故障が出来まして、跛足という程でもないのですが、片足がなんだか吊れるような
具合いで、とうとう思い切って明治十七年から辞職することになりました。それでも幾ら....
「帰去来」より 著者:太宰治
たちのテエブルに寄って来て、私の事を先生と呼んだので、私は北さんの手前もあり甚だ
具合いのわるい思いをした。北さんは、私の狼狽に気がつかない振りをして、女のひとに....
「故郷」より 著者:太宰治
年恰好の上品な女中を兄の長女かと思い、平伏するほどていねいにお辞儀をしてちょっと
具合いの悪い思いをした事があるので、こんどは用心してそう言ったのである。 小さ....
「嘘」より 著者:太宰治
は、このごろはまた何が何やら、わからなくなってしまいましたが、以前はまあ、こんな
具合いに考えていたのです。私に窮屈な思いをさせないというのは、つまり、私にみじん....
「『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
第一巻 ことしの夏、私はすこしからだ
具合いを悪くして寝たり起きたり、そのあいだ私の読書は、ほとんど井伏さんの著書に限....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
落した箇所の水流の具合など描き取って置いた。二ヶ月して他国で前に描いて置いた水の
具合いに似た海に来た。男は盂を得ようとして其処を探して得なかった。 浪華の堀を....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
が判っているものですから、ふと及川の妻の行為を知ってから、それに示唆されるような
具合いに、むしろあしたでも帰って来たら、最初家出のときの覚悟の実行を珪次に勧めて....