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具有
「具有〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
具有の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
。さなくば僕の泥足に涙ながして接吻《せっぷん》する。君にして、なおも一片の誠実を
具有していたなら! 吉田潔。」 中旬 月日。 「拝呈。過刻は失礼。『....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
言している。それは、どうかと思われるけれど、しかし、剛直、潔白の一面は、たしかに
具有していた。学校の成績はあまりよくなかった。卒業後は、どこへも勤めず、固く一家....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
および水平性を失って共に斜《ななめ》に平行線の二系統を形成する場合、碁盤縞はその
具有していた「いき」を失うのを常とする。何故《なぜ》ならば、眼はもはや、平行線の....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
ば、生物の本能は決してかかる過程に由って出来たものではない。元来生物の卵において
具有した能力であって、事情に適する者が生存して遂に一種特有なる本能を発揮するに至....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
て、あらゆる殺人方法について研究してみた。が、どの方法も確実性と絶対不発見性とを
具有しているものはなかった。 ただ一つちょっと面白い方法だと思ったのは、外国人....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
く見せているだけの話だ。女の容貌に就いては、僕のほうが君より数等きびしい審美眼を
具有しているつもりだがね。けれども、あの時、女の顔の事などで議論するのは、下品な....
「愛と美について」より 著者:太宰治
言している。それは、どうかと思われるけれど、しかし、剛直、潔白の一面は、たしかに
具有していた。学校の成績は、あまりよくなかった。卒業後は、どこへも勤めず、固く一....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
意味では彼らは明らかに科学者ではあるまい。しかしもし彼らがその驚くべき直観の力を
具有してしかしてガリレー以後に生まれ、ファラデーの時代に生まれたと仮定したらどう....
「心の王者」より 著者:太宰治
共にさえ住めるのです。 此の特権を自覚し給え。この特権を誇り給え。何時迄も君に
具有している特権ではないのだぞ。ああ、それはほんの短い期間だ。その期間をこそ大事....
「梅花の気品」より 著者:豊島与志雄
一種恒久的なものである。古さから来る拮屈傲峨と、新しさから来る自由暢達と、両者を
具有してしっくりと落付いたものである。 この落付きはまた、梅花の樹に見らるる。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を感ずることができ、活動し善を行ない自他の生活を豊富ならしむべき、あらゆる方法を
具有している。それなのに彼らは、たがいに愛していないとか、ある者を愛しているとか....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
か知れないが、こういう言葉は誰かが言い出すときっと流行するという性質をはじめから
具有した言葉である。それは、既に博士である人達にとっても、また自分で博士になるこ....
「道〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
、まっすぐに行こう。――これは私の信念である。この語句を裏書するだけの力量を私は
具有していないけれど、この語句が暗示する意義は今でも間違っていないと信じている。....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
以《ゆえん》は、描かれたものの形や色にあるというよりも、むしろ見る人の眼と頭とに
具有されている各種の要素についての差の綜合認識作用にあるのであろう。 そう考え....
「民族の感歎」より 著者:折口信夫
になっているかわからない。作家から言っても、千樫・赤彦と移って、其後、斎藤さんの
具有する諸相を理会する時が、やっと到ったのである。それだけに、今における尊敬は、....