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典雅
「典雅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
典雅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「檸檬」より 著者:梶井基次郎
えば丸善であった。赤や黄のオードコロンやオードキニン。洒落《しゃれ》た切子細工や
典雅なロココ趣味の浮模様を持った琥珀色や翡翠色《ひすいいろ》の香水壜《こうすいび....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
まわりを諸天体が左から右へ回ると考えたのであるが、彼の考えではこの回転方向の方が
典雅であり神性にふさわしいものと思われたためであった。カントもまたこの二つの方向....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ち籠めた恋をさえ言い現わし得ないで終ってしまった。その生涯はいかにも高尚である、
典雅である、純潔である。僕が家庭の面倒や、女の関係や、またそういうことに附随して....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は
久我鎮子の年齢は、五十を過ぎて二つ三つと思われたが、かつて見たことのない
典雅な風貌を具えた婦人だった。まるで鑿ででも仕上げたように、繊細をきわめた顔面の....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
ぞ醜いと思ったことは一度もなく、六尺三寸という化物のような大男に育ちながら、上品
典雅のみやび男を気取って、熊手にも似たむくつけき手で、怪しげな歌など書いては、近....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
父好次の下に帰ったのが寛永十四年、年|漸く十六であったが、英敏の資に加うるに容資
典雅にして挙動処女の如くであった。当時は、美少年尊重の世であったから、忽ち衆人讃....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
人間であるのと大いに趣きを異にしてきわめて文雅の人物であった。容貌も秀麗、風姿も
典雅、和歌詩文にも長けていて、今日信玄の作として世に知られている和歌の多くはまこ....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
で、厚顔で金銭慾の強い、凡そ僕とは対蹠的な人間だったからだった。もし、彼がもっと
典雅で、慎しみ深くて、無慾|恬淡だったら、僕は夙うに彼に二川家を譲っていたかも知....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
り、その体系は小じんまりと整頓した研究室をぼんやりと照らす蒼ざめたランプのように
典雅な上品なものである。そこには氏の人格の奥床しささえ窺われて、確信のそのまま溢....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
芝を行くのが、青く清明なる円い床を通るようであった。 階の下に立って、仰ぐと、
典雅温優なる弁財天の金字に縁して、牡丹花の額がかかる。……いかにや、年ふる雨露に....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
作は軽快で、物の云い方など率直で明るい。どこに一点の厭味もない。まずは武勇にして
典雅なる、理想的|若武士ということが出来よう。 かの有名な森|蘭丸。その蘭丸の....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
ッドの森の真中の、約一丁四方程の明るく開けた芝生の中に、薔薇の花園の付いた白亜の
典雅な邸宅が建っている。ケンウッドの主であった故エドワード・セシル卿は、彼の別邸....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
いうものは、泣く、笑う、歓喜する、憂い、歎ずる、すべてのことが決して露骨でなく、
典雅なうちに沈んだ光沢があり、それが溢れずに緊張するというところに、思い深い、奥....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
るが、お夏の狂乱は「情炎」の狂い姿であって、この花筐の中の狂い姿のように、「優雅
典雅の狂い」というものは感じない。 同じ狂いの舞台姿でも、お夏と照日前の狂いに....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
今日はあなたの「聖フランシスの小さき花」が届きました。装いも、内容も、文体も
典雅な美しさと悦びを保ち、私の心にふさわしき、感激を帯びたひびきを伝えました。私....