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「兼ねる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兼ねるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
る時の平吉の方が、ほんとうの平吉のように思われるが、彼自身では妙にどっちとも云い兼ねる。何故かと云うと、平吉が後で考えて、莫迦《ばか》莫迦しいと思う事は、大抵酔....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》の申す事は、何やら謎めいた所があって、わしのような年寄りには、十分に解《げ》し兼ねるが、一体御主はあの摩利信乃法師をどうしようと云う心算《つもり》なのじゃ。」....
路上」より 著者:芥川竜之介
護謨《ごむ》の樹の鉢植が据えてある部屋の隅に佇《たたず》みながら、別に開会を待ち兼ねるでもなく、ぼんやり周囲の話し声に屈托《くったく》のない耳を傾けていた。 ....
」より 著者:芥川竜之介
蔵人得業《くろうどとくごう》の恵印法師に尋ねましても、恐らくこの返答ばかりは致し兼ねるのに相違ございますまい…………」 三 宇治大納言隆国....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しは彼等の利己主義に驚嘆に近いものを感じている。成程彼等には尊徳のように下男をも兼ねる少年は都合の好い息子に違いない。のみならず後年声誉を博し、大いに父母の名を....
婦系図」より 著者:泉鏡花
。 「室数は幾つばかりあれば可くって?」 「何です、何です。」 余り唐突で解し兼ねる。 「貴下のお借りなさろうというお家よ。ちょいと、」 「ええ、そうですね。....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
界』に住んでいるという人が折々ある。これについては余り確かな根拠からは何事も言い兼ねるのであるが、しかし我々は――少なくも科学者たちは――最上の時代に生活してい....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
れぞれの予備の知識がありませんでは、自然のその色彩ある活字は、ペエジの上には写り兼ねるのでございます。 公子 恥入るね。 博士 いやいや、若様は御勇武でいらせら....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
りゃおいしい、猪の味や。」と大口を開けて笑った。――紳士淑女の方々に高い声では申兼ねるが、猪はこのあたりの方言で、……お察しに任せたい。 唄で覚えた。 薬師山....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
強く、そこへ広蓋を出掛ける。ははあ、夫婦二人のこの店、気の毒千万、御亭が出前持を兼ねると見えたり。 「裏表とも気を注けるじゃ、可いか、可いか。ちょっと道寄りをし....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
しに、朝から晩まで、お雪さんを苛めるんだってね。今まで苛めていた継母さえ見るに見兼ねると云うんだから酷いではないか。ねえ、姉さん。 それに、はじめお雪さんを無....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
。 以上二つの結合――仁者と哲人との結合こそは、正に完全人の典型である。両者を兼ねるものは、その一方のみで進む者より、遥かに進歩が迅速である。 問『生命は永遠....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
ま行こうとする、志す処へ着く筈なのです。 それは、――そこは――自分の口から申兼ねる次第でありますけれども、私の大恩人――いえいえ恩人で、そして、夢にも忘れら....
註文帳」より 著者:泉鏡花
ぼりとして哀さったらなかったから。 私は二足ばかり引返した。 何か一人では仕兼ねるようなことがあるのであろう、そんな時には差支えのない人に、力になって欲しか....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ならぬ。 モルトケ大将はマルヌに敗れて失脚し、陸相ファルケンハインが参謀総長を兼ねる事になった。彼は軍団長の経験すらなき新参者で大抜擢である。ファルケンハイン....