»
兼ね合い
「兼ね合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兼ね合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
て莨ばかり吹かし、結局何もせずに落付きじまいになってしまう人もあります。この辺の
兼ね合いはなかなか難しいものです。こういう言葉があります。 有無相通じ、長短相補....
「人間失格」より 著者:太宰治
した。おもてでは、絶えず笑顔をつくりながらも、内心は必死の、それこそ千番に一番の
兼ね合いとでもいうべき危機一髪の、油汗流してのサーヴィスでした。 自分は子供の....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
い。処が一方市民が大いに困らなければストライキの本当の効果はないのだ。この矛盾の
兼ね合いに、今度の市電争議の特色の凡てが横たわっている。この一点を少しでも行き過....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
うのだということを、覚悟しなくてはなるまい。全くつらいことだ。 併しこのつらい
兼ね合いは、実は決して単に時事解説の場合だけではないのである。日本の放送局の放送....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
耐で、襖を閉めた。そして、階段《はしごだん》の上へ出ると
(ここが、千番に一番の
兼ね合い、首尾よく、音も無く降りましょうものなら、お手拍子、御喝采、テテンテンっ....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
けに聊か追従の気味がないではない、紅葉山人の独創と高田実の技量とが名人と名人との
兼ね合いであるだけにそこに大きな融合が認められたわけでもあると思われる。 さて....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
『ヘルキュレス』、勝目のところはよく行って四分六《しぶろく》、せいぜい七分三分の
兼ね合いというところ、何分《なにぶん》にも望みのすくない話でごぜますが、そこのと....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
熱をもち得る対象にめぐり合えるか合えないかということもまことにこれこそ千に一つの
兼ね合いですものね。めぐり合ったとき、どうせ自分は未熟きわまるもので、もしもその....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
前膝を突いたりして、一生懸命に振り落そうと藻掻いたが、道化男はいつも千番に一番の
兼ね合いで踏みこたえる。拍手の音が急霰のように場内一面に湧き起った。その響きの裡....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
返せるか、返せないか。この恋が成立するかしないかという重大な責任が、千番に一番の
兼ね合いで、吾輩の双肩にかかって来た訳だ。 棒も歩けば犬に当るとはこの事だ。 ....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
鼻の頭に浮き出して来るので、 「心の色が鼻にうつる」 とは如何にもよくこの間の
兼ね合いを云い現わしてあると、今更に感心させられるのであります。さらに、 「心の....