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「兼合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兼合の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道標」より 著者:宮本百合子
グで、すこし猫背の小柄な体に、これもモスク※ではおきまりの葡萄色のレイン・コート兼合外套を着ている。 「――ちょっとあのプラカート見てごらんなさい」 伸子は、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の如くにして続きました。 その翌日の晩もまた、旅寝の仮枕――この仮枕が珍妙なる兼合いで、女に押され押されながら、土俵際の剣ヶ峰で廻り込み廻り込み渡って行く兵馬....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に附添うていることの限りに於ては、あえて、そう京阪地方に一日を争わなければならぬ兼合いはないものと見なければならぬ。 悠揚として迫ることの必要のない伊太夫が、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
居にならない。素《もと》と素とがカチ合っているようなものです。そこで、おたがいが兼合いながらの問答であります。 「エエ、お客様のお宿もとは、どちら様でございまし....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ているようなものをかく人はいません。皆とりすまし、自分を六分か七分出し、あたりの兼合を気にしている。昔『生の要求と文学』とかいう本があって、私の最初の本の棚にあ....
生前身後の事」より 著者:中里介山
くほど聞えたようである、しかし新聞は自分の持ちものではなし、いろいろ後を書く人の兼合も考えなければならないから、或る適度で止めるのが賢こい仕方であったのである、....
翻訳のむずかしさ」より 著者:神西清
という仕事は畢竟《ひっきょう》するに、こっちを立てれば向こうが立たぬ千番に一番の兼合いと心得れば、まず間違いはなさそうだ。 チェーホフも同じような毒舌を「手帳....