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兼用
「兼用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兼用の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
舎に入り、便所に飛びこんで、鍵《かぎ》を降しました。
風呂場《シャワルウム》と
兼用《けんよう》になっている、その部屋で、ぼくは冷っこい便器に、腰《こし》を掛《....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
水はふたたびジナイーダに、 「ところで、鍵ですが、」と訊ねた。 「鍵は、父の室と
兼用のものが一つしかないのです。そして、いつも父の室の花瓶の中に入れておくことに....
「縮図」より 著者:徳田秋声
らず、商売を始めてから、その報告の気持もあって、ある日忘れて来た袱紗だとか、晴雨
兼用の傘などを取りに行くと、均平はちょうど、風邪の気味で臥せっていたが、身辺が何....
「嘘」より 著者:太宰治
んの農家の構造はご存じでしょう。土間へはいると、左手は馬小屋で、右手は居間と台所
兼用の板敷の部屋で大きい炉なんかあって、まあ、圭吾の家もだいたいあれ式なのです。....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ァー、バッグ、シーツ、枕、一組何円のセットが現れ帝展風、二科御用静物セット、裸女
兼用といったものが安価で売り出されるかも知れない。 しかしながら日本の現代は必....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
銘の値だんをそのままに現して見せる所の二十円金貨の帯止めや、純金|平打ちや、実印
兼用の大形の指輪、ダイヤの巨大なる奴が二つもヘッドライトの如く輝いている指など見....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
り髪を解かしたりしているうちに、一時間くらいわけなくたってしまう。十一時頃、朝昼
兼用の食事をして、新聞にまた隅々まで眼を通したり、ぼんやり空想に――空想という奴....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いれと言った。彼はその勧めに従った。はいって行くとその室は、台所と食堂と寝室とに
兼用されてるものだった。奥には盛んな火の上に鍋《なべ》がかかっていた。野菜を選《....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
《あんしょう》させ、宿題を読んでやり、調べてやることさえあった。食卓と勉強机とに
兼用してるただ一つのテーブルで、二人は晩を過ごした。彼は宿題をし、彼女は縫い物か....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
選手はクロールという新発明の泳法を習い覚えて帰ってきた。兼吉先生は新潟中学の水陸
兼用のコーチであるから、カワナモク式の原始クロールは先ず新潟中学へ伝えられ、この....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
還流が起った証拠なんだよ。大体油時計そのものが、頗る温度に敏感であって、夜中燈火
兼用以外には使えない代物なんだ、だから、当然それに、陽が当った場合を想像しなくて....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
あとの家族は息子の浩之介だが、彼は門に接続した門番小屋のようなところを事務所
兼用にして寝泊りしているのである。彼の営業は高利貸しであった。熱海の大火の折に母....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
ような気がしながら、お菊が去ると間もなく、袢纏《はんてん》を羽織に換えて、茶の間
兼用になっている客間へ顔を出した。 客間の敷居際には、お菊がいった通り、無精髯....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
期の日蓮宗の日蓮聖人、浄土真宗の親鸞聖人、いずれもさとりの修業と信仰の安心立命と
兼用であります。 ざっと、こんなふうな具合で、修業によってさとろうとする側と、....