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内地
「内地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
はや》りますの。」
女は考え深そうに、途切《とぎ》れていた話を続け出した。
「
内地はよろしゅうございますわね。気候もこちらほど不順ではなし、――」
「参りたて....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
に故人になったと云う次第じゃありません。ただ、かれこれ一年ばかり経って、私が再び
内地へ帰って見ると、三浦はやはり落ち着き払った、むしろ以前よりは幽鬱《ゆううつ》....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
け》にしたと云っても、帝国軍人の片破《かたわ》れたるものが、戦争後すぐに敵国人を
内地へつれこもうと云うんだから、人知れない苦労が多かったろう。――え、金はどうし....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ペキン》にある日本公使館内の一室では、公使館附武官の木村陸軍少佐と、折から官命で
内地から視察に来た農商務省技師の山川理学士とが、一つテエブルを囲みながら、一碗の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
。中佐はほっと息を吐《は》いた。
「春だね、いくら満洲《まんしゅう》でも。」
「
内地はもう袷《あわせ》を着ているだろう。」
中村少佐は東京を思った。料理の上手....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
「何《なん》でもない。何でもないよ。」
「だってこんなに汗をかいて、――この夏は
内地へ帰りましょうよ。ねえ、あなた、久しぶりに
内地へ帰りましょうよ。」
「うん、....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
なかった。糊《のり》のように粘ったものが唇《くちびる》の合せ目をとじ付けていた。
内地ならば庚申塚《こうしんづか》か石地蔵でもあるはずの所に、真黒になった一丈もあ....
「星座」より 著者:有島武郎
母はすぐ立っていった。
「どうもやはり北海道米はなあ増《ふ》えが悪るうて。したら
内地米の方に……何等どこにしますかなあ」
買手の声は聞こえないけれども、母のそ....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
見よ、北の方なる蝦夷《えぞ》の島辺、すなわちこの北海道が、いかにいくたの風雲児を
内地から吸収して、今日あるに到ったかを。 我が北海道は、じつに、我々日本人のた....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
が、おもに白絹へ、蝶花を綺麗に刺繍をするんですが、いい品は、国産の誉れの一つで、
内地より、外国へ高級品で出たんですって。」 「なるほど。」 四 あ....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
行くとて、また笛を取出して吹きすさみつつ、大谷地(ヤチはアイヌ語にて湿地の義なり
内地に多くある地名なりまたヤツともヤトともヤとも云うと註あり)と云う所の上を過ぎ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
な髪を一束ねの、天窓へ四斗俵をのせて、懐手で腰をきろうという処だッていいますぜ。
内地から醤油、味噌、麦、大豆なんか積んで、船の入る日にゃ、男も女も浪打際へ人垣の....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
てしまった。而して現在の北海道は、その土地が持つ自然の特色を段々こそぎ取られて、
内地の在来の形式と選む所のない生活の維持者たるに終ろうとしつゝあるようだ。あの特....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
罪が行なわれましても、日本の裁判権は及ばないのであります。(拍手) また日本の
内地において犯罪を犯した人が基地の中へ飛び込んでしまったら、どうすることもできな....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
系警官が満州国不安の一大原因となっているのは深く反省せねばならぬ。他民族の心理は
内地から出稼ぎに来た人々に簡単に理解せられない。警官には他民族の観察はほとんど不....