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「内庭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内庭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
た間きりです。そのふた間の前に、ずっと広い廊下があって、廊下の外はあまり広くない内庭でした。その庭をはさんで、脈べや、治療べや、薬べやなぞが別棟《べつむね》にな....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りながら、見とがめられぬように本堂の横から裏へ回って、方丈の間とおぼしきあたりの内庭先へこっそり忍び入ってうかがうと、果然目を射たのは、そこのくつ脱ぎ石の上に脱....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
なるほど、ぴしりと戸が締まっているのです。 しかし、その玄関さきも、前庭、内庭も、荒れるがままに荒れ果てて、一面にぼうぼうと枯れ草ばかりでした。 「あき屋....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
したから、ちょうどそこのかぶき門があいていたのをさいわい、足音忍ばせてこっそりと内庭の中にはいり込みました。 と――同時のように主従三人の目を射たものは、離れ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
な男でした。少しばかりのてがらに得々として、名人右門をしかりしかり、息をころして内庭へ回りながら、子分べやらしいひと間の障子をそっとのぞいてみると、なるほどいる....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
に忍び泣く女のすすり音がきこえました。 声をたよりに奥へはいってみると、へやは内庭にのぞんだ離れの六畳。見る目も婉《えん》にくずおれ伏して、ひとりしんしんと泣....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
れたらどうするんだ。こっちへ来な」 そこの庭口のくぐりからはいって、こっそりと内庭へ回りました。 とっつきにごろったべやがあって、若い者のごろごろとした影が....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
居睡りもしないで一心にほぐしものをやっていられる。省作は表口からは上がらないで、内庭からすぐに母のいるえん先へまわった。 「おッ母さん、追い出されてきました」 ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ように設けられている御影石の階段をサッと照した。これを下りてゆけばいいのだった。内庭の芝地の上に下りたって、僕は奇異な感に打たれた。この庭の広々としたことはどう....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
左様に心得ませえ」 四「はっ」 權「ほう」 目付「權六其の方昨夜外庭見廻りの折、内庭の檜木山の蔭へまいる折柄、面部を包みし怪しき侍|体のものが、内庭から忍び出で....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
の立派な屋並の中の、分けても立派な堂々たる家、納屋衆の中でも頭株の嚥脂屋の奥の、内庭を前にした美しい小室に、火桶を右にして暖かげに又安泰に坐り込んでいるのは、五....
女難」より 著者:国木田独歩
ました。 障子に燈火がぼんやり映って、家の内はひっそりとしています。武は黙って内庭に入りました。私は足が進みません、外でためらっていますと、 『お入りなされ!....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
。 その時の事を「緑林黒白」には次のような文章で書き記してある。 「門ヲ入レバ内庭ニシテ、四辺闃寂人影無シ、中央ニ大池アリ。奇巌怪石岸ニ聳チ、一切前景ヲ遮ルア....
皇帝の使者」より 著者:カフカフランツ
の階段をうまくかけ下りることができても、何一つ得るところはないだろう。いくつもの内庭を越えていかなければならぬのだ。そして、かずかずの内庭のつぎには第二の壮大な....
」より 著者:カフカフランツ
右手の隅であった。そこでは部屋の裏壁にあるただ一つの大きな隙間を通して、おそらく内庭からくるのだろうが、青白い雪明りが射しこんできて、部屋の隅の奥深くの背の高い....