内玄関[語句情報] »
内玄関
「内玄関〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内玄関の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大島が出来る話」より 著者:菊池寛
なった涙は、意識しては何うしても出なかった。 が、近藤家の勝手を知った譲吉が、
内玄関を上って、夫人の居間であった八畳へ行くと、其処には思い掛なく夫人の代りに、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
声といっしょに、その三庵がうろうろしながら取り乱した顔をみせると、おろした駕籠を
内玄関のほうへ回させて、そのまま人の目にかかるのを恐れるようにあたふたと招じあげ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
屋へ引きかえしてまいりました。 「どうぞ、こちらから――」 言いつつ先にたって
内玄関のほうへ案内しましたので、通されるままに上がっていくと、いかさま何か珍事が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
り門から喜右衛門を案内してはいった。屋敷のなかも薄暗いのでよくは判らなかったが、
内玄関のあたりは随分荒れているらしかった。中の口の次に八畳の座敷がある。喜右衛門....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
前あって、角見世で六間間口の土蔵造、横町に十四五間の高塀が有りまして、九尺の所に
内玄関と称えまする所があります。実に立派な構えで、何一つ不自由なく栄燿栄華は仕ほ....
「蟇の血」より 著者:田中貢太郎
艶かしい女の声が聞えて来た。讓は女の姉さんと云う人であろうかと思って顔をあげた。
内玄関と思われる方の格子戸が開いて銀色の燈の光が明るく見え、その光を背にして昇口....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
の文字があり、他の車には警察署の文字があるのを見た。 道夫は、植込の間をぬけて
内玄関へ急いだが、往来にはどの家でも誰か顔をだしているのに、道夫の家だけは誰もで....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
と二人並んで門をはいるのが、新子は何となく気が引けた。 主人は玄関から、新子は
内玄関の方から、家へはいった。 濡れた衣類を着かえて、夫人のところへご挨拶に出....
「光は影を」より 著者:岸田国士
いゝんでしよう? ご主人によろしく……」 彼は、立つたまゝ頭を軽くさげ、大股に
内玄関の方へ歩きだした。 「お怒りになつちやいやよ。なにもかも、あんまり不意なん....
「兜」より 著者:岡本綺堂
けてやるのを待ちかねたように、彼は息を切ってころげ込んで来て、中の口――すなわち
内玄関の格子さきでぶっ倒れてしまった。 兜をかぶっているので、誰だかよく判らな....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
までもなく、あらゆる療法は、ことごとく試み尽しているであろうということであった。
内玄関もあれば、車寄せの大玄関もある幽邃な庭園が紫折り戸の向うに、広々と開けてい....
「澪標」より 著者:外村繁
が浮かんで来る。母に手を引かれて(これは後からの想像であるが)、確かに私は本家の
内玄関の土間に立っていた。そこへ奥から祖父が出て来たのである。唯それだけの記憶で....
「黄灯」より 著者:田中貢太郎
には十足ばかりの靴や下駄が見えて障子が閉っていた。書生は玄関をあがった。 「私は
内玄関の方で待っております」 主翁はなんぼなんでも玄関からあがれないと思った。....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
死んで行った。 鷹匠が現われてから恰度七日目だった。 小夜子は外出から戻って
内玄関へ上ろうとすると、俄かに門前が騒々しくなって、小砂利の上を馳ける大勢の跫音....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
駅前の闇市で買ってきたという南京豆入りの飴を出してすすめ、自分も口に入れて、 「
内玄関で薬剤師の竹村春枝さんに会ったわ。あのひと、また来ているの?」 と話をか....