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「円満具足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

円満具足の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
すね。が、何だかこの顔は、無気味《ぶきみ》な所があるようじゃありませんか。」 「円満具足《えんまんぐそく》の相好《そうごう》とは行きませんかな。そう云えばこの麻....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
安堵』を感じた。のみならず、彼の考えでは、太陽が永久に消燼してしまうということは円満具足の神の本性に矛盾すると思われるのである。――スペンサーはこれよりはもう少....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
根本的な食い違いを有ちながら、之を意識的にか無自覚にか、何の食い違いもないような円満具足なものと見せかけるものが、インチキ宗教一般の本質だ。――そういう意味に於....
記録狂時代」より 著者:寺田寅彦
にギャング犯罪のレコードをも造りだすであろう。 何一つレコードを持たないような円満具足の理想国はどこかにないものかと考えることもある。 (昭和八年六月、東京朝日新聞)....
変った話」より 著者:寺田寅彦
危険思想だとこわがる人があるそうである。しかし自分が電車で巡り合った老子の虚無は円満具足を意味する虚無であって、空っぽの虚無とは全く別物であった。老子の無為は自....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
の余地を有しない。若しもわれ等が、古代の啓示の矛盾を指摘し、何れの啓示も、決して円満具足を以て任ずるものでないことを告ぐれば、彼等はドグマだらけの神学者の常套語....
球体派」より 著者:豊島与志雄
白との象牙の球……。 いや、眼球や象牙の球ばかりではない。凡て球形のものには、円満具足の美があって、長い観賞に堪える。球形を見て喜びと和ぎとを感じないものは、....
イオーヌィチ」より 著者:神西清
しろじろと見えているものは、もはや大理石の片はしではなくて、その一つ一つがみごと円満具足の肉体であった。彼はそれらの姿が羞じらうように樹かげに身をかくすのを目に....