再三再四[語句情報] » 再三再四

「再三再四〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

再三再四の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
、三度まわって、それから片手でコップの水を二拝して一息で飲む、というまじないを、再三再四、執拗《しつよう》に試みたが、だめであった。耳の孔《あな》が、しきりに痒....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
事を得ず、煩悶している間に今日の場合は寧ろ潔く事実を陳べ、妻子が無関係であるのに再三再四裁判所へ呼出されて迷惑する事のないようにした方が宜しいと決心がつきました....
」より 著者:島崎藤村
たが、やや躊躇した後で、自分の行くべき道は兜町の方角より外に無い――尤も、これは再三再四熟考した上のことで、いよいよ相場師として立とうと決心した、と言出した。 ....
狂乱」より 著者:近松秋江
年のまだ正月時分から、その金の使途について、急にやかましく、私から訊ねてよこした再三再四の手紙に対する返事で一向要領を得なかったのでも、それがわかっているし、今....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
クスフォードから大陸へあたふたと旅立ったのである。 私はむなしく逃げまわった。再三再四、私はそっとわが心に問うた、「彼は何者であるか? ――彼はどこから来たの....
名人上手に聴く」より 著者:野呂栄太郎
接親しみ、解説書等で間に合わせをすることなく、たとえ一年に一冊でもよいからそれを再三再四精読し、それによって、ややともすれば歪められがちなわれわれの物の観方を正....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
行ったって、そう変るものじゃありません、アメリカだって御同様ですよ』と言ったが、再三再四、問われるから、『左様、アメリカでは、政府でも、民間でも、すべて人の上に....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
いの間疾く帆走したかと思うと、もう一度ちょうど風上に向って停った。こういうことを再三再四繰返した。あちこちへ、上ったり下ったり、北へ、南へ、東へ、西へと、ヒスパ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
早く成功したんだぞ。とにかく、これは彼が大事を取って仕事をした方面なんだ。彼等は再三再四湖北に行ってくれと乃公に頼んだが、乃公はそれでも承知しないくらいだ。誰が....
白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
い。わたしはこの幽霊――まず幽霊とでもいうのほかはありますまい。この幽霊のために再三再四妨害されて、実に腹が立ってたまらないので、もうこうなったら根くらべ意地く....
キド効果」より 著者:海野十三
机の上の紙片を見た。そこには次のような鉛筆の走り書がしてあった。 「木戸博士から再三再四電話が懸ってくるので、時間中ながら鳥渡お伝えする。曰く、大学の講義なんか....
母と娘」より 著者:岡本かの子
掴んで帰って来ると信じて気を静めて居ます。一見したのを直ぐ其の儘受け取らないで、再三再四繰返えし考え、横からも縦からも噛みしめて本当の事実を本然の姿を突き留めて....
大叫喚」より 著者:岩村透
、人家の無い所に、わいわいいって沢山の人々が集っているのが、見えるのだ。機関手は再三再四汽笛を鳴らして、それに注意を与えるが、彼等は一向平気で、少しもそこから去....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
は明治二十二年の夏、富士の裾野の或る旅宿に逗留していた時、行李に携えたこの一冊を再三再四反覆して初めて露西亜小説の偉大なるを驚嘆した。 私は詞藻の才が乏しかっ....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
てもみつからなかつた。それで、武三をこれまで通りに置いて呉れるよう、父親の竹松に再三再四拝まんばかりに頼んだが、竹松はどうしても首をタテに振らなかつた。 竹松....