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冒涜
「冒涜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冒涜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
言おうとした。しかしそこには言うべき何事も残ってはいなかった。それ以上をいうのは
冒涜《ぼうとく》にすら感じられた。
園と小母さんとは無言のままで互いの眼から離....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
の麻酔がジワジワと融けてくるのをさえ感じた。彼もまたポールと同じく、ミルキ閣下を
冒涜する一人であると思った。 「ねえポール。そういえばバラに注意したがいいよ。あ....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
さをつねに持っていることが必要であります。 『神を怖れる』ということを忘れ、神を
冒涜するようなことはあくまで慎まねばならぬと思います。しかるに現代はこの立派な埓....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に知られるようになった。プラトンの弟子のアリストテレスはあるデメーテル僧から神を
冒涜したといって告訴され、大官アレオパガスから死刑を宣告されたが、際どくもユーボ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
十一月九日於酒田脱稿 世界の統一が戦争によってなされるということは人類に対する
冒涜であり、人類は戦争によらないで絶対平和の世界を建設し得なければならないと思う....
「食魔」より 著者:岡本かの子
。まるで座敷の中の調度が、住む自分等を異人種に取扱い、見られるのも触れられるのも
冒涜として、極力、防避を申合せてるようであった。こうしてから自分等に家を貸し与え....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
と、寸分たがわぬ模写人間を作ろうとしたことが、既に神に対する取りかえしのつかない
冒涜だったかも知れない。 ヒルミ夫人の瞼に、二十数年この方跡枯れていた涙が、間....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
媒の全部を精神異常者と見做して、懲罰を加えんとするに至りては、愚にあらずんば正に
冒涜である。われわれの側から観れば、かの堕落せる酔漢の類こそ、不良霊媒以上の精神....
「旧作」より 著者:上村松園
しない人があるときいています。 さきの文壇の某大家の言と較べて、これほど自らを
冒涜する言葉はないと思います。 画家――大家となっている人でも、その昔は拙い絵....
「墓」より 著者:秋田滋
抜足差足、跫音を忍ばせて墓石と墓石のあいだを歩いて行き、彼は眼を覆わしめるような
冒涜行為を目のあたりに見たのである。 一人の曲者が、前の日にそこへ埋葬された妙....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
した国民の奴隷根性とも密接につながるものである。 それは少なくとも個人の尊厳の
冒涜、すなわち自我の放棄であり人間性への裏切りである。また、悪を憤る精神の欠如で....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
いたずらに高く、微力にして期するところ意に従わず、幾多の不備、粗漏があって古典を
冒涜することなきかを恐れている。今後も御批判、御忠言、御希望を惜しまれることなく....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ながら面白半分の応援隊となっていたが、それ以来かくの如き態度は厳粛な文学に対する
冒涜であると思い、同時に私のような貧しい思想と稀薄な信念のものが遊戯的に文学を語....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
違ってると軽断するではないが、二葉亭にいわしむれば生活の血の滲まない製作は文学を
冒涜する罪悪であったのだ。「あんな器用な真似は出来ない、自分には才がない」と二葉....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ものに対しても、そのものの価値を絶対に無視することは許されません。それは自然への
冒涜です。天地仏神への不敬に亘りやがて自分も罰せられなければなりません。 くれ....