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「写し出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

写し出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
どについて知覚が明暸《めいりょう》になりますのと、この明暸になったものを、精細に写し出す事が巧者にかつ迅速《じんそく》にできる事だと信じます。二はこれを描《えが....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
第一として、それに手真似や身振りを添えます。白《せりふ》はなるべくその時代の人を写し出すのが主で、御嬢さんでも丁稚《でっち》でも、その人物が出てきたようにやるん....
光と風と夢」より 著者:中島敦
ある。雲のように湧起る空想的情景。万華鏡の如き影像の乱舞。それを見た儘《まま》に写し出す。(だから、あとは技巧だけの問題だ。しかも其の技巧には充分自信があった。....
小説総論」より 著者:二葉亭四迷
いうもの。よって試に其大略を陳《のべ》んに、摸写といえることは実相を仮りて虚相を写し出すということなり。前にも述し如く実相界にある諸現象には自然の意なきにあらね....
映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
ンのわく内に収めることもできれば、スターの片方の目だけを同じスクリーンいっぱいに写し出すこともできる。従って、この特徴と重写の技巧とを併用すれば、一粒の芥子種の....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
で、しかも人間の可能性の延長であり人間の欲望の夢の中に揺曳するような影像を如実に写し出すというのも一つの芸術ではあるが、そうした漫画は精神的にはわれわれに何物を....
木下杢太郎『唐草表紙』序」より 著者:夏目漱石
ゆた》かな情緒を濃《こま》やかにしかも霧《きり》か霞《かすみ》のように、ぼうっと写し出す御手際《おてぎわ》です。何故《なぜ》ぼうっとしているかというと、あなたの....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
の生活の落着きと、美しさの上に立って動く芸術の様式であり、その様式によって直ちに写し出すことの出来る人間生活、日常風景、都会雑景である。例えばモンマルトル辺りの....
鏡花氏の文章」より 著者:中島敦
葉の豪奢な織物でなくては、とても、氏の内なる美しい幻想を――奇怪な心象風景を――写し出すことは出来ないのである。氏の文章は、だから、他人の眼には如何に奇怪にうつ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
とから成っている、その意外なる光耀《こうよう》の危険な魅力は、何物をもってしても写し出すことはできないであろう。偶然におのれを示し、また他を待っている、一種の定....
教育映画について」より 著者:寺田寅彦
械のレンズで見た、その影像の写しをそのままに吾々の眼を通して直接に吾々の頭の中へ写し出すのである。 教育機関としての映画の役目は、このように観客の眼の「案内者....
入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
」 「そうなんですよ」 ホームズは答えた。 「またどうしてあなたは、まるで鏡に写し出すようにハッキリそれがお分かりになったんです?」 探偵は云った。 しか....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
じ得た如来の姿を描くとすれば、西方海中に没しようとする懸鼓の如き日輪を、心にして写し出す外はない。さすれば、水平線に半身を顕し、日輪を光背とした三尊を描いたであ....
朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
。乞食は乞食にしても、何処かに芸術になる何かを持っているはずです。それを捜し出し写し出すところに芸術家の使命があると思います。醜女の醜を描く必要のある場合にしま....
学者安心論」より 著者:福沢諭吉
ず重大にして急なるものを写さざるべからず。 されば今の日本政府も、何等の大勢を写し出すものか、何物の真形を反射するものか、これを反射して真を誤らざるものか、無....