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写生
「写生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
写生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
から先も妹の話は軽快に事件を追って行った。彼等は一しょに展覧会を見たり、植物園へ
写生に行ったり、ある独逸《ドイツ》のピアニストを聴《き》いたりしていた。が、彼等....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
何をしゃべっているのだか、わからない。ただ、君を見送ってから彼が沼津《ぬまづ》へ
写生にゆくということだけは、何度もきき返してやっとわかった。
そのうちに、気が....
「画学校時代」より 著者:上村松園
いちめんに花畠になっていました。 それで花屋が画学校の前にありましたので、よく
写生用の花を買ったり、買わずに、じかに花畠へ行って
写生したりしたものです。 そ....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
間に、草双紙を読み、『燕石十種』(六十冊)――これは達磨屋吾一が江戸橋の古本屋で
写生して、東紫(後で聞けば関根只誠氏)に贈ったものであった。――を読み、毎日々々....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
羅甸語だの、いろいろのものを修業しいたり。それから休日には植物園などへ、水彩画の
写生に出かけしものなり。僕もその御伴を仰せつかり、彼の
写生する傍らに半日本を読み....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
くるのであつた。 あるとき私は近所の七つくらいの女の子を二時間ばかり借りてきて
写生したことがあつたが、その子が帰つてから、どうも少し齢のわりに小ましやくれてい....
「あのころ」より 著者:上村松園
中の小学校の展覧会に私の絵を出品させて下さるほどでした。 私はそのとき煙草盆を
写生して出したのですが、それが幸い入賞して御褒美に硯をいただきました。 この硯....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
ですよ、この頃に絵具を持出して、草の上で風流の店びらきをしようと思います、大した
写生じゃありませんか。 この円いのが海、この三角が山、この四角いのが田圃だと思....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
た方が、気がおけませんよ。」 男爵は、だから「画家」として世に立つべく修業し、
写生旅行に、この風光明媚の沼岸へやって来たというのであった。 M教師は酒肴を出....
「簡潔の美」より 著者:上村松園
思います。 私はよく松篁と一緒に拝見に参りますが、その演者や舞台面や道具などを
写生するために、特に前の方に置いて貰うのですが、つい妙技につりこまれて、筆の方が....
「絵だけ」より 著者:上村松園
す。絵のことを考えるだけです。 熱心なことは誰方にも負けんつもりでおりますが、
写生は若い時分からようしました。今のように乗物の便利な時代と違いますから、二里で....
「画室談義」より 著者:上村松園
ては小禽たちの鳥舎、兎、鶏からさては狐小舎までが散在していて、私や松篁にとっては
写生、勉強のよい対象になってくれ、また孫たちにはこよなき遊び相手になってくれてい....
「画道と女性」より 著者:上村松園
いるのと対照させて、新規の方は努めて地味な色合を選んで採り合わせ、萩の葉も殊更に
写生の色を避けていっさい緑青気の生々しいものを使わず、葉の数なども実際のものはも....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
を排して、専心、上納画の下絵にとりかかりました。藤原時代の衣裳の考証に、ある時は
写生に外へ出かけたりいたしました。四月には心に適った下絵ができ上がりましたので、....
「女の顔」より 著者:上村松園
たりしてどうも巧くまいらない時が御座いますが、そういう時は、この喜怒哀楽の表情は
写生する事が出来ませんので、どうも自分をモデルに使わなければ仕方が御座いません。 (明治三十八年)....