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写真帳
「写真帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
写真帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
した。石子刑事は高圧的にすべての写真を取り出す事を命じた。細君は唯々として分厚い
写真帳や古ぼけた写真を彼の目の前に運んだ。
写真帳を繰っているうちに、石子刑事....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
人間はまったくおせっかいである。(昭和七年三月、渋柿) 二女の女学校卒業記念
写真帳と、三女のそれとを較べて見ていると、甲の女学校の生徒の顔には、おのずから共....
「ロプ・ノールその他」より 著者:寺田寅彦
が広いもののように思われて来るのである。 米国地理学会で出版されたペルーの空中
写真帳を見るとあの広い国が至るところただ赤裸の岩山ばかりでできているのに驚く。地....
「感覚と科学」より 著者:寺田寅彦
オストワルドの色見本は、言わばそういう方向への最初の試歩である。金相学上の顕微鏡
写真帳も、そういうスケールを作るための素材の堆積であるとも言われよう、もし、あの....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
う。きょう『日本経済年報24』を送ります。それから今にアルプスの雪景のドイツ版の
写真帳を送ります。チンダルの『アルプス紀行』はもうおよみになりましたか。お気に入....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
とが全然ないというようなことは現実にあり得ないのですもの。 パウル・ヴォルフの
写真帳が偶然目に入り、うれしくておめにかけます。私が余り砂っぽい風を顔に吹きつけ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
そかに誇りとしていた。冗談の調子でかなり露骨にそのことをもち出した。彼女は自分の
写真帳《アルバム》に彼の自署を求めた。彼女はパリーのことをしつっこく尋ねた。パリ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
も一つ写真があった。それは十五歳のおりのグラチアの写真だった。ローマで彼女の家の
写真帳の中に見つけて、盗んできたものだった。彼はそれを自白しながら許しを求めた。....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
書画の掛物、机上に陶製や銅製の古い花瓶、窓際に多くの椅子……そして片隅の机上に、
写真帳が堆く積まれていたが、それは各地の風光の写真らしく見えた。 案内の男は他....
「沼のほとり」より 著者:豊島与志雄
得ました。 室内には、さまざまなものが雑然と取り散らされていました。その中に、
写真帳が数冊ありました。八重子は機械的にそれをめくっていました。話の方に気を取ら....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
り飽《あき》っぽくなったりするって言ったでしょ。その時も、欠伸《あくび》しながら
写真帳を枕にして、だらしなく寝ころんでいたの。そしてね、おっ放《ぽ》り出した本を....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ばッくれやがると承知しねぞ」
そういって置いて大股に部局の隅まで行き、本棚から
写真帳を取りおろしてその中から写真を一枚撰び出す。それには警視総監が屋根の上で消....
「地上」より 著者:島田清次郎
の輝く天体の偉大と不思議と、さらに山崎の浄い熱とは人生に珍しい美であった。瀬村が
写真帳をもって来てギリシャ・ローマ時代の彫刻やロダンやミケルアンジェロの彫像につ....
「こんにゃく売り」より 著者:徳永直
林と私はますます仲良しになった。 あるとき林の家へいって遊んでると、林が大きな
写真帳をもってきて、私にみせたことがある。それはハワイの写真で、汽船が沢山ならん....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
とを比較して見ると、その人を動かす力がまるで違うことも面白かった。そして彼のこの
写真帳の出現は、私の前から心がけながら延び延びになっていた日本における雪の研究に....