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冠詞
「冠詞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冠詞の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の個人主義」より 著者:夏目漱石
でした。私はその先生の前で詩を読ませられたり文章を読ませられたり、作文を作って、
冠詞《かんし》が落ちていると云って叱《しか》られたり、発音が間違っていると怒《お....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
論者の言を承認すれば、今後永久にいっさいの人間の思想に対して、「自然主義」という
冠詞《かんし》をつけて呼ばねばならなくなるのである。 この論者の誤謬《ごびゅう....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の文中から、ディグスビイにもあるまじい、幼稚な文法をさえ無視している点や、また、
冠詞のないことも指摘したのだったが、次の創世記めいた奇文に至ると、その二つの文章....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
et《レット》 us《アス》 go《ゴー》 on《オン》(行こう)ト「日本の」と
冠詞の付く英語を叫びながらピョッコリ飛出した者が有る。と見れば軍艦|羅紗《ラシャ....
「帆」より 著者:宮本百合子
ぎりであった。彼は立って、それを室の真中へ持ち出した。 「あ、ちょっと。そこには
冠詞がいりますね」 「――DER?」 「そうです。――ではこの文句をすっかり裏か....
「比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
最初に出会ったセンテンスは、たしか「猿が手を持つ」というのであった。その時、まず
冠詞というものの「存在理由」がはなはだしく不可解なものに思われた。The(当時か....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
てあるタイムスは四ペンスである。これもたまにはいい。何故ならTHE《ザ》という定
冠詞とTIMES《タイムス》という名詞の間に獅子と馬の皇帝紋章が楯をひろげている....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
かなかうまいもんだ。ドイツ語はもっとごつごつするかと思ったらまるで英語のようだ。
冠詞が一格だか二格だか考えずに出るからドイツ語はドイツが本場だと見える。一時頃小....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
小説|稗史に比較なば。所謂雪と炭俵。弁舌は飾れど実の薄かるも。御馴染甲斐に打寄る
冠詞の前席から。ギッシリ詰る大入は、誠に僥倖当り炭。俵の縁語に評さえ宜を。例の若....
「アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
という人。 『ここいらの日本人の英語といったら、なって居りませんですぞ。前置詞も
冠詞も無茶苦茶につかいますでのう。』 六十五のお婆あさんはこんな気焔をあげる。....
「昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
ったのであるが、実によい名前だと川端康成は言う。この言葉の意味もよくわかる。何も
冠詞のない文学は、何の主張もない文学という意味だ。だが無意識的には反マルクス主義....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
日は長くなりますから、それをしませんが、これを要するに、彼等から、「大衆」という
冠詞を取り去るだけの自由な公明さを持つと同時に、その
冠詞のために起きていた彼等自....