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冥府
「冥府〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冥府の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒猫」より 著者:佐々木直次郎
なかへ塗りこめておいたのだった! (1)Pluto ――ローマ神話の下界の王。
冥府《めいふ》の王の名。 (2)旧約全書創世記第一章第二十六―二十七節、「神いい....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ら、人通りのない所で話しましょう」 五、六歩さきの物蔭へ連れ込んで、われわれは
冥府の使いであるから一緒に来てくれと言ったが、和子はそれを信じなかった。 「おま....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
の鬢の毛を引掴みましたが、何を申すも急所の深手、諸行無常と告渡る浅草寺の鐘の音を
冥府へ苞に敢なくも、其の儘息は絶えにけりと、芝居なれば義太夫にとって語るところで....
「令狐生冥夢録」より 著者:田中貢太郎
言った。 「わしが死んだ後に、家内の者が仏事をやって、しこたま紙銭を焚いたので、
冥府の役人が感心して、それで送り還してくれたのだよ」 ※は烏老のいうことを聞い....
「富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
、賤く買い、中にはその定価を払わないで、相手を忿らして死なしておる者もあるので、
冥府から本司に知らしてきて、捉えて獄に入れたが、もう已に牛となって、隣の家に生れ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ったか。唯十分か十五分の中に、大地は恐ろしい雨雲の下に閉じこめられて、冷たい黯い
冥府になった。
雲の運動は秒一秒|劇しくなった。南を指して流るゝ雲、渦まく雲、....
「落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
その炎もすっかり消えうせてしまった。真っ黒な暗闇がそれにつづいた。あらゆる感覚は
冥府へ落ちる霊魂のように、狂おしい急激な下降のなかに嚥みこまれるように思われた。....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
い。承知しました。しかし無暗に鬼の真似をして見せたところで、先生は驚きますまい。
冥府の役人からこういう差紙を貰って来たのだぞといって、眼のさきへ突き付けたら、先....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の児は湯をくれ、粥をくれと言った。暫くして、彼は正気にかえって話した。 「はじめ
冥府へ行った時に、わたしは
冥府の王に訴えました。なにぶんにも父母が老年で、わたし....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
、雷鳥だか山鳩だか、赤児のような啼声が、遠くなり、近くなって、偃松の原から起る、
冥府の奥の、奥の方から、呼ぶようで、気が遠くなる、未だ後の人たちが来ないので、私....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
で、焼岳という嫉みぶかい女性の、待女が繊細い手を出して、河原に立ちながら、旅客を
冥府の谷底に招き寄せているのではあるまいかと思われた、崖の高い、曲りくねった路に....
「メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
ェーの僧侶。ノルウェーの地理および歴史に関する著述がある。 (6)ギリシャ神話の
冥府にある燃ゆる炎の河。 (7)アイスランドの東南、スコットランドの北方の洋上に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ここへ置くことが怖ろしくなったらしい。 「何だい、何を言うのだい金蔵」 どうも
冥府《よみ》から響いて人を取って食いそうな声だ。 「親方、お前さんはここに隠れて....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
て下手に半円形を造りて、立ち並ぶ。巨人のみ中央に立つ。無音。鬼気。冷風。――然り
冥府の如き冷たき光影! ヨハナーンは巨人の姿を見るや絶叫す) 少年 お姉様! あ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
っくりしてそう言った。 それに対する太閤さんの答えは、振ったものであった。 「
冥府へはな、近頃各方面の人間が集まるので、その男らの言うところを盗み聞きしている....