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冥界
「冥界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冥界の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
せずば虎に食わると。またいう最初の神ピチーの子オーン、水牛とトダ人を創造し、今は
冥界《アムノドル》の王たり。その子プイヴ水に指輪を落し拾わんとして溺死す。オーン....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
る、奇怪な粉飾が施されているのです。幹枝は膨んだ腹をそのままに作り、他の二人には
冥界の獄卒が着る衣裳を纏わせて、いわゆる六道図絵の多面像を作り上げたのでした」 ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の時は死神《しにがみ》に取り着かれたんだね。ゼームスなどに云わせると副意識下の幽
冥界《ゆうめいかい》と僕が存在している現実界が一種の因果法によって互に感応《かん....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
と為って居るやら、彼の千艸屋で買ったと云う毒薬を呑み、最う既に何の苦痛をも知らぬ
冥界《あのよ》の人と為って了ったであろうか、夫とも猶だ死にはせず、其の身の不幸や....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
アビ鳥。プランクトンの豊富な錫色の海をゆく、砕氷や氷山の涯しない行列。なんと、幽
冥界の荒涼たるよ――とさけんだ、バイロンのあの言葉が思いだされてくる。しかしそこ....
「愛卿伝」より 著者:田中貢太郎
を言う、それにしても、お前を賊に死なしたのは、残念で残念でたまらない、今、お前は
冥界におるから、お母さんのことも判ってるだろうが、お母さんは、今、どうしていらっ....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
信じているのだ。パータリセの家の死んだ一族が多勢、森の中から寝室へ来て、少年を幽
冥界《ゆうめいかい》へ呼んだのだと。又、最近死んだパータリセの兄が其の日の午後|....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ジプト等、大毒蛇ある諸国皆蛇また竜を悪の標識とせり、例せばエジプト教のアポピは闇
冥界の大蛇で、日神ラーに制服され、カルデアの女神チャーマットは、国初混沌の世の陰....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
に破壊力ありとし古くこれを不幸の住所と呼び禍難の標識とした、女神ヒネ、ヌイ、テポ
冥界を宰《つかさど》り死人の魂を治む、勇士マウィ人類のために不死を求めんとて陰道....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
眼を奪い、迫って三醜女怪方への道を聞き取り、また翅《つばさ》ある草履と、魔法袋と
冥界王ハデースの兜《かぶと》を得、これを冒《かぶ》ると自分全体が他人に見えなくな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
口よせを頼み、その非業《ひごう》の魂をやわらげると共に、無告《むこく》の訴えを幽
冥界から聞こうとしました。巫女は心得て、樒《しきみ》の葉に水を手向《たむ》けて、....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
は、「黄泉」という支那の熟語をくだいてそういったので、黄泉まで尋ねて行きたいが幽
冥界を異にしてその行く道を知られないというように解するようになる。守部の解は常識....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
き叫ぶ小みどりを、厳しく括り上げたのである。 妖怪変化は、そのまま葬っては、幽
冥界から再び帰ってくる虞れがある。まず皮を剥いで取って置き、骸は油をかけて焼いて....
「山の人生」より 著者:柳田国男
知っている人も多いと思うが、大正十四年の四月に、周防宮市の天行居から刊行した『幽
冥界研究資料』と題する一書は、この類の珍本のいくつかを合わせて覆刻している。『嘉....
「イグアノドンの唄」より 著者:中谷宇吉郎
時は、世界各国の学者から、激越な批判の手紙がたくさん来たそうである。これは突如|
冥界《めいかい》からの通信に接して驚愕した人間が、いざ話しかけようとした時に、そ....