冥福[語句情報] » 冥福

「冥福〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冥福の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
断はつきません。ある男の魂のために、――あるいは「ぽうろ」と云う日本人のために、冥福《めいふく》を祈ってやりたいのです。いけませんか?――なるほど阿媽港甚内に、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か不仕合わせであったかということを考えた。彼は北にむかって、ひそかに千倉屋の娘の冥福を祈った。 無事に使命を果たして帰った彼は、組頭にも褒められ、上のおぼえも....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
課長とは、このとき目交せをすると、静かにジュリアの枕許に歩をうつして、ジュリアの冥福を祈念した。 「ジュリアさんの最後の舞台を見てくれましたか」と一郎は二人に声....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
は書き役の者に命じて、かの一件の記録を訂正させ、さらに紙銭十万を焚いて、かれらの冥福を祈った。 鉄塔神の霊異 蔚州の城内に寺があって、その寺内に鉄塔神と....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
※の家では燈籠をかけて紙銭を供えた。紙銭は紙をきって銭の形を作ったもので、亡者の冥福を祈るがために焚いて祭るのである。 日が暮れて、あたりが暗くなると、表で幽....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
わけにいかんじゃないか」 「それもそうだな。じゃあ、仕方がない。ここから君たちの冥福を祈っているよ。南無阿弥陀仏!」 「おい、そんな薄情なことをいうな。おーい、....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
くキンメル提督に命令したがいいじゃないか」 「キンメル提督? ああ神よ、彼の上に冥福あれ。おい、ヤーネル提督、砲撃方始め」 「オーケー、フランキー」 と、そこ....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
捨てられてしまった」 もう駄目だ。可哀想なベラン氏よ。僕は口の中で、ベラン氏の冥福を祈った。そして頭をいよいよ床にこすりつけた。そのとき急に自分の身体が……い....
沈没男」より 著者:海野十三
いところで失い、甚だ残念ですが仕方がありません。御諒承を乞う。尚、海野ニセ武官の冥福を、読者諸君と共に祈り上げる次第であります) (×月×日、モンテヴィデオ、先....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
であった為め、わが児が早く極楽浄土に行けるようにと、朝に晩にお経を上げてしきりに冥福を祈って居るのじゃ……。この娘自身はすやすやと眠っているから格別差支もないが....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
を思わせました。 わたしは寝台の上に眼をあげる勇気もなく、ひざまずいて亡き人の冥福を熱心に祈り始めました。神が彼女の霊と私とのあいだに墳墓を置いて、この後わた....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
を、びたびた、二町ばかりも道案内をしてくれた。この老女の志、(現世に利益、未来に冥福あれ、)と手にした数珠を揉んで、別れて帰るその後影を拝んだという……宗匠と、....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
度二人がその部屋に入った時、伯爵は等身大の亡き夫人の肖像画の前に座って、香を焚き冥福を祷っていた。香の煙は美しい彼女の胸から顔へ、うっすりと立ちのぼっていた。 ....
情鬼」より 著者:大倉燁子
は、ほんとうに真面目だったんでございます。嫂の死後は一層身を謹みまして、只管嫂の冥福を祈って居りましたのですから、たとえ人様が何と仰しゃいましても、兄には婦人関....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
しく、見つからなかった。で帰りに福井の永平寺へ立寄り、私を救ってくれたこの悪党の冥福を心から祈ったものである。 とにかく阪大佐太郎は六、七十円ほどの宿賃を払い....